修理修理
基本的に断られる理由は...
先日ご依頼いただいたオメガのオーバーホール。
クォーツの時計ですが購入されて10数年が経ち、
電池交換を行っても正常に動作しないとのこと。
そこで今回オーバーホールと新品仕上げを行いましたが、
数十軒も他店で修理依頼をしたもののどこも断られたそう。
実はこの時計の修理を断られる理由は…
「文字盤シェル(貝殻)文字盤だから」
修理の作業自体は普通の文字盤であれば何てことはないのですが、
シェル文字盤は針を抜くときに剣抜きが文字盤に当たり、
そのまま文字盤が割れてしまうことがあります。
シェル文字盤は非常に繊細な素材でできているので、
今も昔も断られることが多い案件です。
もし文字盤を割ってしまったらメーカー修理で、
文字盤だけでなく機械もセットで修理されるはず。
そうなると10万円コースになるので、
修理代金との割が合わない。
基本的に当店でも文字盤が特殊なものは修理を受け付けしないことがあります。
しかしウチの職人さんは喜んでやってくれます。
なぜなら…
シェル文字盤用の剣抜き機を持っているから
実はこの工具を初めて見たのですがよくできていて、
針を抜くときに文字盤に接地せずに抜くことができる代物。
あまり需要がないのですがこれがあればシェル文字盤も怖くない。
でもその工具の値段がなんと「30万円」‼
とは言え今回は特別に作業をやってくれたのですが、
シェル文字盤の代表格のロレックス・デイトジャストやデイデイト、
機械の構造がややこしいものはやりません。
万が一のことを考えるとリスクが高いので、
文字盤が割れる可能性があることを承知の上であれば受け付けます。
でもほとんどの場合は納得されて修理をしません(笑)
でも今回は無事に作業も終了しお客様へ納品ができました。
今回の修理代金は
オーバーホール(電池交換込み)¥16,500、
新品仕上げ¥11,000
合計¥27,500送料込み
これでまた永く使ってもらえますね‼
お客様の元へ届くのが楽しみ!