修理修理
これぞ「感動」‼
かなり前にお預かりしたIWC・ポルトギーゼクロノの修理。
恐らく引っ掛けてリューズに巻芯が折れ込んだ状態で外れ、
さらにチューブも外れた状態。
チューブは外れただけで済んでいましたが、
この巻き芯が折れ込んだリューズはかなり厄介。
というより基本的にリューズ交換をします…
が、過去のブログでも書いた通り外装パーツはほとんど手配できません。
そうなるとメーカー修理になるのですがこの状態だと恐らくケース交換も必須。
修理の総額は推定35万円くらいかな?
時計一本買えちゃいますね。
今回はダメ元で職人さんにお願いしたところ、
「一先ずリューズを探すので見つからなかったらそれから考えます」とのこと。
まぁ探しても見つからないのがこういうブランドのパーツ。
あれば奇跡だけど基本的にないのでリューズは無い方向で修理を考えます。
今回のネックは「リューズに埋まった巻芯」。
それ以外は正直なところどうにでもなる…
と思って機械を見るとローターやゼンマイなど調整が必要な部分が多い。
これがバルジュー7750ベースなのでどうにかはなるものの、
問題のリューズはどうしよう…?
そこで考えてもどうにもならないのでリューズから折れ込んだ巻芯を抜くことにしました。
実はこの作業の大変なところが巻芯の穴の直径は約1.5ミリ。
そこからネジ抜きをすると穴が割れる可能性が高い。
なので専門の職人さんに依頼することに。
確認すると作業は可能とのこと。
それぞれの職人さんたちが丁寧に作業するので時間はかかります。
しかしメーカーでない自分たちがやるのでそこは仕方がない。
使えるパーツを安易に交換するメーカーとは違うのが、
ウチのような時計屋さんの修理作業というもの。
今回の作業内容は
オーバーホール¥40,000
リューズのネジ抜き¥20,000
巻き芯取付¥4,000
ローターのガタつき調整¥3,000
ヒゲゼンマイ調整¥3,000
チューブ取り付けサービス
各種消費税
合計¥75,600
仕上がったのがコチラ
バッチリ元通り‼
今回は無理だと思っていた修理が完了して、
妙に嬉しく思うのは自分だけではないはず。
普通は合わせで社外のリューズになることが多い修理内容ですが、
元々使用していたリューズが使えるようになったのは、
感動としか言いようがありません。
これでまた長く使えますね‼
今回は奇跡的に修理ができたので、
他の案件でも同じ対応ができるかどうかは別。
しかしダメ元でも相談しないことには始まらない。
壊れたままで眠っている時計があれば先ずはご相談を‼