CartierCartier
思い出深い時計
これからメンテナンスを行うカルティエのパシャC。
上京したての頃、
先輩たちに時計の話をして頂いて必ず出てくるのがこの時計。
と言うのも当時は女性の方に大人気のパシャC。
女性が大きめの時計を身に着けるという昨今のトレンドはここからではないでしょうか?
銀座や青山のOLさんたちがこぞって身に着けており、
田舎者の自分には華やかに映って見えたのもこの時計。
当時はレディースウォッチだと思っていたので、
まさか男性で身に着けている人なんていないだろうと思っていたら、
先輩の知り合いで男性の方が身に着けられていたのでビックリした思い出があります。
先輩に「あれってレディースウォッチじゃないんですか?」
と聞くと大笑いされ、
「これは一応、男性用だけど女性に一番人気の時計だね‼」
と教えられました。
その辺の意味もよく分からなかったド素人です(笑)
その先輩のお知り合いが雑誌から出てきそうなお洒落な人で、
話に聞くととんでもなく裕福な方だそう。
自分とは住む世界が違う人という感覚しかありませんでしたが、
広島から上京したばかりの田舎者の小僧相手にも本当に優しく接してくださる方でした。
その頃は二十歳そこらのクソガキだったので、
時計はクロノグラフかダイバーズウォッチが良いに決まっていると思い込んでいる了見の狭~い自分でしたので、
パシャCの良さが全く分かりませんでした(笑)
めちゃくちゃ高級そうなニットを着てパシャCをされているその人を見ていると、
時計の良さはわからなくても何だか良い時計に見えてきて、
よく分からないけどカッコいいみたいな感じでした。
極め付けにその方がポルシェに乗られていて最終的に気絶です(笑)
東京って本当にスゴイ人たちがいるんだな~と思ったキッカケにもなる時計の一つです。
古い時計を扱っていると、
その時計にまつわるエピソードが蘇ってきます。
今回のパシャCは自分にとっては良い時代の時計の象徴。
夢を追って上京し、
そこから今に至るまでの駆け出しの時期に出会った時計。
そう思うと妙な愛着が沸いてきます。
コレ、自分用にしようかな(笑)