CartierCartier
こういうの今はあんまり無いよね~
個人的にクリティカルヒットな時計が先日入荷しました。
見た目はカルティエのパシャ、中身はジラールペルゴの機械。
いや~久しぶりにこういう時計を見ました‼
「こういう」というのは、
外装のデザインはそのブランドが行って機械を他社のものを組み合わせた時計。
かつてのロレックス・デイトナはバルジューやゼニスの機械を使用していたように、
こういう感じの時計が何だか妙に刺さります。
「ETAがあるじゃん」というのは別で、
ジラールペルゴをはじめジャガールクルト、ゼニスなど、
ETA以外でムーヴメントを供給して時計製造も行う時計ブランドの機械を使ったものは、
今は自社開発の影響もあってか少なくなった気がします。
他にもオーデマピゲ・オフショアクロノやロイヤルオークはジャガールクルトが、
シャネル・J12はオーデマピゲがなどなど色々な組み合わせがありますが、
ブランドやグループの垣根を越えて、
一つの時計を他社同士で生産していたというのはスイス時計産業の面白さの一つ。
良し悪しは別として業界を盛り上げるという意味では決してキライではありません!
今回のパシャは当時販売されていたころに、
同じパシャ38でETA使用のスチールバック(スケルトンではないもの)と、
こちらのジラールペルゴの機械でスケルトンがありました。
当時はスケルトンバック自体そう多くはなく、
同じくらいの年代だとオメガ・スピードマスタープロフェッショナルや、
セイコー5辺りが思い出されます。
今はスケルトンバックのものがかなり増えましたが、
こちらのようなローターだけでなく機械全体に細かくカルティエのロゴが彫刻され、
表は普通のパシャだけど裏を見るとキレイなモノグラム上のロゴがあるとなれば、
オタクっぽいですがバックスケルトンから機械が見えると嬉しい(笑)
ケースサイズは現行品と比べれば遜色ありませんが当時の38mm径は非常に大ぶりな時計。
手首だけ細い自分には似合いませんが、
こういう時計はコレクションしたくなります。
今回はカルティエでコンプリートサービスを行い、
さらにベルトも純正品の新品に交換。
内容としては正直文句の付けようがないと思っていますが、
文句のある人はいつでも受けて立ちます(笑)
というのは冗談で、
一度コンプリートサービスを行っておけば、
今後通常の使用でウチでも修理ができるでしょうし、
ベルトも純正の新品を自分でオーダーすると、
金額が高いことは言うまでもなく納期が3カ月半…
それを考えれば内容は決して悪くない。
この内容でアンダー30万円なら本当にいい条件で出せていると思います。
世間ではこの時計に使われている機械に賛否あるようですが、
個人的には当時のカルティエが時計でここまで攻めたものを製造して、
しかも日本では馴染みのないジラールペルゴの機械をチョイスした所が素晴らしいと思います。
勘違いしてほしくないのは、
ETA以外の機械が精度や耐久性に雲泥の差があるほど、
物凄く優れているわけではありません。
そうではなくてバックスケルトンにして機械にキレイな彫りがあって、
というような「特別感」に共感してもらえたら嬉しい。
そして今でもメーカーがしっかりメンテナンスしてくれるというところも重要です。
もし現行品で同じような時計を作ったら…
優に100万円は超えてくるでしょう。
そうなるとちょっと面白くないんでよ。
中古とは言え少なくとも50万円以下で買える面白さ。
そういうところも魅力的に思ってもらえるのなら幸いです!
様々なバリエーションがあるパシャの中でもちょっとクセのある一本。
これは買われた方の満足度が高いはず。
手首周りがもう少しあれば欲しいところですが、
手首周り17cm以上の方はぜひぜひ検討されてください‼