SEIKOSEIKO
販売価格の基準
お客様から「他のお店よりも安い」、「時計の状態が良い」など、
お褒めの言葉を大変良く頂きます。
有難いばかりですね‼
今回はウチで販売する際の「値段の基準」について。
こちらは先日入荷したロードマーベル36000。
個人的に一番好きな時計でバーインデックスでもアラビアでも、
一番の時計だと思っています。
デザイン、サイズ感、精度、耐久性、メンテナンス性など、
何をとっても非の打ち所がない。
「ブランド品」が好きな方には理解ができないでしょうが、
本当の「時計好き」には外せない存在です。
今回こちらを販売するにあたってオーバーホールはもちろん、
風防交換、ゼンマイ交換、外装のポリッシュまで行っておりますので、
50年前の時計と言えども日常の使用に問題ないほど仕上げております。
これで販売価格は\55,000+taxとアンダー6万円。
ちなみに値段だけで言えば「相場並み」です。
こちらのブログでも店頭でも毎回言いますが、
「ヴィンテージウォッチは値段だけで判断できない」
なぜならここまで細かくメンテンナンスをして保証を付けて販売するのに、
説明を聞かなければ値段の根拠はわかりませんよね?
値段だけで判断するなら至って普通、
しかし内容を考えれば実はめちゃくちゃ安いんです。
例えば個人売などで同じ時計を買ってメンテナンスをする際にウチのお店の修理基準だと
オーバーホール\25,000+tax
風防交換\6,000+tax
ゼンマイ交換\8,000+tax
ポリッシュ\5,000+tax
お店で買った方が安いですね(笑)
ようは徹底的に仕上げるので修理代金も高くなる。
「ゼンマイ交換だけ」なんて都合の良いことはできません。
修理をするならキッチリとことんやるのがウチのお店であり職人さんです。
部分修理を基本的に受けないのは預かった時計に対する保証と信頼ゆえのもの。
なので修理はできるものはちゃんとします。
話を戻しますが、
では店頭販売価格はどう決めているのかというと…
「仕入れた時点で売りたい金額を決める」
つまりメンテナンス費用を考えずに値段を決めています(笑)
あまりも修理代が掛かるようであれば多少の値段変更はしますが、
お店をオープンして以来このスタンスは変わりません。
なので仕入れて手元に来て値段を決めて、
職人さんにメンテナンスをしてもらって店頭に並びます。
今回のようにゼンマイ交換や風防交換が追加されると実は「儲からない」(笑)
外装ならまだしも内部は開けてみないと分からない。
一種の「賭け」のような部分もありますが、
修理代が掛かったから販売価格を上げるというのは性に合わない。
文字盤や外装のコンディションを見て瞬時に販売価格を決める。
自分のバイイングに課した「責任」みたいなものです。
なので今回のロードマーベルは実はお買い得なんです(笑)
こんなことをやっているとお店は儲かりませんが、
それでも買ってくださる方が満足してくださるならそれでいい。
それだけ商品にも自信を持ってお勧めしているわけなのです。
「買って後悔」されたくないので、
買われた後の対応もしっかりしているつもりです。
そんなこともありヴィンテージウォッチは色々と大変ですが、
そこを乗り越えたらきっと「面白い」と感じてもらえるはず。
それぐらい本当に素晴らしいのが古い時計なんです。
何でも便利に安く買える時代だからこそ、
「物事の本質」を少しでも知ってもらえると幸いです。