カルティエのクォーツムーヴメントは初期のものから現在まで何種類かあり、
2針モデルのSMサイズであれば大まかに分けると3種類ほどあります。
3代目以降の機械は現在まで基本的な構造は変わらず、回路の仕上げが異なるのですが、
初期と2代目の機械は構造が全く異なり、現在は生産終了となっているため…
直せません!

こちらのムーヴメントは1983年頃から1989年頃まで採用されたもの。
構造も何となく古く見えますが、元々の設計に難があるため、
パーツがあったとしても使用はあまりお勧めできません。
現在もこちらの機械は一部動作しているものもありますが、
いずれは回路不良となり修復ができなくなります。
私共では動作する機械をご購入いただいた方のためにストックしていますが、
新規での修理の場合はこちらの機械が使われているものはお断りしています。
ではこの機械が使われている時計の場合どうするのか?
迷わずメーカー修理を依頼するしかありません。
現在メーカーへクォーツモデルの時計を修理依頼すると、
現行品に規格と同じ機械に入れ替えしてくれます。
ただ機械の入れ替えのみで直るかどうかは出さないと分かりません。
外装のパーツ交換をセットで行わないと修理の受け付けをしてくれない場合もあり、
最悪の場合はケース交換も一緒に行う必要があれば数十万円の修理代金となります。
何はともあれヴィンテージウォッチはインターネットも含めると買いやすい環境ですが、
安易に手を出さず信頼のできるお店で購入することをお勧めします。
安く手に入れたその時計が、思わぬ修理になりませんように。