先日ご依頼いただきましたお持ち込みの時計修理。
今回で2度目のオーバーホールとなりますが、
前回はある箇所が修復不能でした。

こちらはオメガのベーシックなデイト付き自動巻き。
機械はクイックチェンジ機能付きのCal.565を使用しており、
コンステレーションと同等のムーヴメントとなります。
当店でも取り扱うことの多い機械なのでメンテナンスは問題なく行えると安心しておりましたが、
コンステレーションや他のシーマスターと若干異なる構造をしているのが、
まさかの「カレンダー板」でした。
良く使われるものよりも細いカレンダー板のため刃先が摩耗していると、
クイックチェンジの時に反応しない。
こちらはカレンダーの送り付けには問題なかったのですが、
カレンダー板の刃先が摩耗しており、
クイックチェンジを行うのであれば交換が必要でした。
ただ救いだったのは針送りであれば日付の調整ができる。
しかしストックパーツや材料屋さんを探しても適合するパーツは無く、お客様にご相談。
日付の早送りはできなくても正常に動作すれば良いとのことでしたので、
こちらの修理はカレンダー板の交換無しで作業を行いました。
それから数年、時間の遅れが目立ち始めたとのことで、今回もオーバーホールを行いました。
しっかりと精度も出るようになりお客様に返却。
これでまた永く使えますね!
お持ち込みの修理の場合はこのようなトラブルもあったりするので、
ヴィンテージウォッチの持ち込み修理を断られることも他店様ではあるかもしれません。
当店の場合は可能な限り対応し、修復ができない箇所はお客様にご相談させていただくので、
どこかで落としどころが着けらえるように作業を行います。
こちらの時計の場合は本当に例外の出来事ではありますが、
自分たちにとっても良い勉強となりました。
この度も当店をご利用くださり誠にありがとうございます!