先日ご依頼いただきました顧客様のオーバーホール。
非常に珍しいオメガ・コンステレーションデイデイトとなり大変気に入っていただいておりましたが、
ご購入いただいて3年ほどが経過しておりましたので今回は作業を行いました。
時折オーバーホールの時期としては少し早いこともあります。
それは時計を使用する上で磁気や湿気などの影響を受け、
正常に動作しないことが原因のことも。
特に湿気に至っては梅雨時や夏場に限らず、
最近ではまとまった雨も多いこともあり、
湿気の影響を年中受けていることも考えられます。
「では新品の防水時計なら安心」かもしれませんが、
それは最初だけ。
パッキンの劣化は日々進行するものですし、
湿気くらいなら安心だと思って何も気を使わないで使用すると、
その影響を時計内部が強く受けていることも多数あります。
というのも今の湿度は磁気によって100%近くになりますので、
今の生活防水レベルの防水性能でも湿気は防ぎきれず、
ヴィンテージウォッチだから不安で新品なら安心でもないのです。
ちなみにムーヴメントのサビの原因の多くは、
湿気が影響していることがほとんど。
目に見えないものだから仕方がありませんが、
サビ落としは作業の中でも特に大変な作業となりますので、
誰にとっても良いことはありません。
そこで私共では早めのオーバーホールを推奨しています。
磁気をはじめ湿気によるダメージを最小限にするため、
定期的にご依頼いただけることで大掛かりな修理を防ぐこともできます。
ほんの些細なことですが時計は多くの方が思っているよりもずっと複雑です。
精度が良いから時計の調子が良いのではなく、
外的要因による腐食も同時に考えられます。
そういった部分の点検もオーバーホールは兼ねていますので、
時計を大切にするのであればぜひとも定期的な修理をご依頼ください!