先日お知らせした店舗の移転は来年2月と少し先ですが、
今回の経緯について説明すると、
全てはコロナウィルスの影響で世の中がガラッと変わったことにあります。
コロナウィルスが流行る前年2019年に、
今後の展望として海外進出を計画していました。
時計の流行の中心地である「イタリア」へ何かしらの形で出店したい、
そんな想いを持って各所に交渉しておりました。
その時は特に急いで出店したいというわけではなかったので、
現地の日本法人が運営するセレクトショップや、
イタリア近郊に在住歴のある友人の友人など、
思い当たるところを片っ端から当たって構想を練っていました。
とは言えこちらも大きな実績があるわけでもなく、
本当に「検討段階」以外の何者でもなかったので、
話の進展もなく時間が過ぎていた頃、
海外通販の購入が増え始めたこともあり、
関税の優遇がある「香港」に拠点を持とうと計画をしていました。
香港であれば身近にコネクションもあり、
香港自体も非常に活気がある近代都市。
かつてイギリス領だったこともありヨーロッパとの繋がりも強い。
そこからアプローチをして最終的にイタリアという目標に近づこうと計画。
その矢先に起こった「香港民主化デモ」。
これがニュースで見る以上に酷い惨状だったらしく、
しばらくは現地と連絡が取れなくなり、
その後に起こったコロナウィルスの影響で全ての話が頓挫。
完全に道が塞がれます。
当時は福岡市内で店舗の移転も考えており、
海外進出と並行して新しい店舗を探していましたが、
自分たちが理想とする場所は空きがなく、
近い感じのテナントも金額の折り合いがつかず。
結局のところ今の店舗でもある姪の浜から移ることを断念しましたが、
色々なトラブルはあるものの、
何だかんだ姪の浜が好きなのでそれで納得していました。
しかし2022年初頭にコロナウィルスなどの影響を鑑みた時に、
海外で同じようなパンデミックが起こったときに乗り越える自信がない、
今回の各国や自治体の対応を見た時に日本が一番いい、
そう思ったので国内で何かできないかと考えた矢先、
「東京に住んでいた時の知り合いやお世話になった人に何か恩返しがしたい」
そこから築地事務所の開所へと動き出します。
最初は本当に試しにやってみようと気軽な気持ちでしたが、
予想以上にお客様からの反応が良く、
「ぜひ東京で出店してほしい」という声も多数頂きました。
それと同時に今回の移転後に福岡の店舗を使用する、
「広島・92-NinetyTwo-」の安部君から相談を受け、
今回のような形を選ぶことにしました。
相談の内容は詳しくはお伝え出来ませんが、
自分より若い世代のチャレンジに少しでも協力したい、
多くの人たちにチャンスが訪れて欲しい、
そんな想いが以前からあったので東京へ完全に移ることとなります。
現在、福岡市西区エリアの目まぐるしいほどの発展に、
自分たちだけの力では追い付いていけない、
もっと活気があってより盛り上げてくれる人材として、
「靴磨きを多くの人に広めたい」
という強い意志を持つ安部君が最適だと思いました。
今後は東京・お台場という、
多くの人に「ヴィンテージウォッチ」では馴染みのない辺鄙な場所から、
福岡や古巣・広島をはじめ、
日本各地のショップと面白いことを企画できればいいなと考えています。
ただ今回は完全に撤退するのではなく、
これからも様々な形で関わっていくと思いますので、
引き続きご愛好頂けますと幸いです。
次回のブログは「なぜお台場なのか?」についてです。