今回お取引先様へ納品したマストタンク。
よく見るマストタンクと違いがあるのが分かりますか?
「文字盤が白い!」んですけど、
そこも大事ですがロゴが「筆記体表記」ですね。
こちらはマストタンクが発表される前のヴェルメイユ素材を使用したタンク。
最近ではプレマストタンクなんて言い方をされるようです。
資料が無いので正確なことは分からないのですが、
マストタンクが発表される1976年以前に製造されたもので、
恐らく1972年に金無垢モデルが一般販売される頃に生産が始まったものと予想しています。
こちらはタンクルイと同型の砲丸リューズを備えケースのサイズもほぼ同じ。
心無しこのプレマストタンクは通常のマストタンクより金張りが強いような気がします。
過去に販売したものも多少のダメージはあるものの、
再メッキをするほどのものは数少ない。
ムーヴメントも若干仕様が異なり、
オシドリと言われるリューズを抑えるパーツの形状がネジ式。
後のマストタンクからバネ式に変わります。
尾錠は1970年代のクラシックバックルや当時のバネ棒付き。
あえて今回は詳細の画像を載せていませんが、
文字盤のコンディションも良く細かいパーツのオリジナリティも高い。
ガラスは少し傷があったので社外の新品パーツに替えておきました。
こういったアイテムは弊社でも非常に欲しいのですが、
10月からインボイス制度という悪法が始まるので、
お取引先様に少しでも貢献したいと思い納品いたしました。
商売も生きていくことも「お互い様」ですからね(笑)
こういった謎の多い時計が見られるのもヴィンテージ品ならでは。
情報社会の世の中は真偽が定かでない情報も多いのですが、
何が正解、不正解をネットの情報だけで判断するのは野暮というもの。
自分の目で見て触れて己で判断する。
これがヴィンテージの正しい愉しみ方なのです。
こういう時計を売るのにたくさんの失敗もしたし痛い目も見ましたが、
自分たちを信頼してくださる方のために商品を案内できるのは嬉しいですね!
こういう時計こそ見つけた時が最良の「買い時」です‼
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