磁気に湿気に注意が必要なのは「全て」の腕時計です。

磁気に湿気に注意が必要なのは「全て」の腕時計です。

先日ご依頼いただきました時計の修理。

正常に動作をしないとのことで内部の状態を見たところ、

磁気帯びと湿気の影響を受けていました。

今年は特に気温が高く湿気も強い。

おまけにスマホを持っていない人の方が少なく、

日常的にパソコンやタブレットも使います。

 

まぁこれは仕方がないの一言。

こんな世の中なので腕時計にとっては良い環境とは言えません。

これがヴィンテージウォッチだからではなく、

新品のものであっても磁気や湿気の影響は必ず受けます。

 

磁気はスマホやパソコンなどの家電製品に限らず、

お財布やバッグの磁石であったり、

音響などのスピーカーでも磁気の影響はあります。

 

以前お客様で「レンジを使って調理をしていたら時計が止まった」と聞きましたが、

レンジも磁気の強い家電製品なので影響は多大にあります。

 

そして意外と見逃しがちな湿気。

雨や水回りの使用は気を付けていただけるのですが、

磁気と同じく湿気も目に見えないので、

「今日は蒸すな」と思ったら時計を使わないのも一つの手段です。

 

湿気に関して特に気を付けて欲しいのが新品で購入した「生活防水」レベルの時計。

 

梅雨時や夏場の雨天の時の湿気は90%近くになり、

酷ければ100%という「水中」のような環境になります。

そのくらい湿気が強い環境である日本では、

生活防水程度の防水性能では湿気は防げません。

 

中には蒸し暑い日に時計を使うとガラスが曇ることを経験された方もいるはず。

それは窓ガラスの結露と同じ要領で曇るのですが、

それなら湿気の影響だと分かるのでマシなほうです。

 

一部の時計ではガラスにコーティングを施しており、

ガラスが曇りにくくなっているものあるので、

湿気の影響を受けていることに気付けない場合もあります。

 

磁気はよほどのことがない限り直すことはできますが、

湿気は放置するとムーヴメントがサビる原因となり、

最悪の場合、機械が直せなくなることもあります。

 

正常に動作しないという分かりやすい症状が出ればいいのですが、

症状に気付かず放置すると直るものが直せなくなる可能性もあります。

今回はお客様が異常に気付いていただけたので大きな修理になりませんでした。

 

今回はオーバーホール基本料金¥16,500電池交換、送料込みとなります。

 

時計に不具合があると不便に感じると思いますが、

考え方によっては不具合が分かる方が大きな修理になりにくいとも言えます。

壊れないことや壊れにくいことが良いのか分かりませんが、

何かあってもしっかり対応させていただきますのでご安心くださいね‼