1960年は日本の時計の転換期。

1960年は日本の時計の転換期。

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1960年という年は日本製の腕時計の転換期。

この年にセイコーから日本、

いや世界最高峰の腕時計「グランドセイコー」が発表されます。

 

戦後、焼け野原から復興を果たし、

世界へと向けた製品造りが盛んになり始める1960年代。

この1960年代は日本の歴史的な、

そして世界中を驚かせるような製品を発信します。

 

バイクで言えば1969年に発表されたホンダ・CB750K。

自身がバイクに興味を持つきっかけとなり、

オトナになったら乗りたいバイクの一つでしたが、

昨今ヴィンテージバイクは恐ろしいほど盗難に遭い、

ちょっとした知識のある人でも簡単にエンジンをかけらえるものなので、

何かあったことを考えると断念せざる負えないものとなってしまいました。

 

その点、時計であれば身に着けている間は盗られることはほとんど無く、

保管もしやすくちゃんとしておけば無くなることはほとんど無いはず。

そういったこともあってなのかこの数年、

ヴィンテージウォッチの熱量は日本に限らず、

世界中で予想を遥かに上回る様な人気を博すようになりました。

 

海外ブランドの人気は今に始まったことではありませんが、

日本の時計は間違いなくこの数年で一番の注目株。

その中でも日本最高峰のグランドセイコーは日本以上に海外で評価され、

今では多くのコレクターが自身のSNSでも掲載しています。

 

ただ人気が上がるに連れて価格も右肩上がり。

グランドセイコー1stも以前より高騰したこともあって、

今では垂涎の時計と言っても過言ではありません。

自分も欲しいと思いながら数年、

お客様最優先で買う機会を逃し苦い思いをしていることは言うまでもありません。

 

ただグランドセイコーが日本最高峰とは言え、

日本製の良いところが「安価」でも決して手を抜かない品質であるということ。

個人的にグランドセイコーでなくても十分魅力を感じてもらえるのが、

今日入荷したクラウンスペシャルだと思います。

グランドセイコー発表の翌年1961年から販売が始まるクラウンスペシャル。

 

かつてセイコーの高級機種マーベル、クロノス、クラウンが存在し、

それぞれが新たな段階へと進み、

マーベルはロードマーベルとなりセイコーきってのロングセラーモデルへ、

クロノスは1961年に発表される亀戸工場の最高峰キングセイコーに並ぶクロノススペシャルへ、

クラウンはグランドセイコーのムーヴメントのベースとなり、

そのグランドセイコーと同スペックを持つクラウンスペシャルへと変貌します。

 

ただクラウンスペシャルはグランドセイコーの廉価版という位置付け。

グランドセイコーが採算度外視で生産され、

海外製品にも負けない最高の腕時計という逸品だったため、

仕上げや工程を落とした一般の方でも手に入れやすい高級時計という感じで広まったそう。

 

とは言え安価な雰囲気は一切感じない高級感のある仕上がりなのは、

かつてクラウンがセイコーを代表する名作だったからと思います。

国産腕時計が初めての方にも十分満足してもらえる時計だと、

自信を持ってお勧めできることは確かです。

 

こういう時計の良さを感じられるのは、

自分が歳を重ねたからなのか時代の流れなのか。

何はともあれ今時ギラついた格好もできない年頃なので、

知的で雰囲気のあるもので身を固めたい。

もうアグレッシブな感じも疲れるしね(笑)

 

こういう時計を身に着けてカフェでお茶をして、

CB750のk4辺り乗り回せたらカッコいい大人かな。

まぁそういうのはもう少し先になりそうだけど。

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