最近は販売価格だけでなく仕入れ価格も高騰しているカルティエ・サントスガルベの初期モデル。
通称サントス・カレと呼ばれる時計ですが、
この数年で人気と値段が一番高騰したヴィンテージウォッチと言っても過言ではありません。
ただこの時計のシリーズは注意が必要です。
長年メンテナンスをしていないとベゼルネジやブレスレットピンが抜けず、
オーバーホールをすることができない個体があります。
なので入荷して先ず最初にチェックする箇所は上記の2か所。
ここがスムーズに外れてくれると心から安心します。
でもベゼルネジが汚れなどで固着していると、ネジを外すことが非常に大変な作業となります。
ドライバーの刃先を研いでネジを回すという作業を何度も行うので、
手首が折れそうな想いでネジ外しの作業をしなくてはなりません。
それでもベゼルネジが外れない場合は、ネジを削ってベゼルを外すため、
元から付いているネジは使えません。
当店では純正ネジのストックがあるので交換対応できますが、
大掛かりな作業にならないようにするためには、定期的なメンテナンスが欠かせません。
今回の個体はベゼルネジもブレスレットピンもスムーズに外れましたので、
続けてムーヴメントを取り外して文字盤などのコンディションもチェックします。
ガラスを通すと見えづらい文字盤のクラック。
この年代のカルティエの製品はクラックがあることが多いので仕方がありませんが、
支障をきたすほどのダメージではありませんので、今回は自社で修理を行います。
ここまでの作業を行ってオーバーホールや外装の修理を行います。
道のりは長く感じますが、サントスで大事なのは最初にも書いた通り、
ベゼルネジとブレスレットピンが外せるかどうか。
この作業だけで時計のメンテナンス内容が大きく変わるので、
普段の扱いやお手入れの大切さを実感します。
こちらの時計はゴールデンウィーク明けから作業を開始しますので、今月下旬には販売予定となります。
お探しの方はウェブサイトをぜひチェックしてくださいね!