何度でも書きます「時計はメンテナンスが大事」と。

何度でも書きます「時計はメンテナンスが大事」と。

過去のブログやインスタグラムで何度も書いておりますが、
「時計はメンテナンスが大事」なんです。
周期的に書くのは「メンテナンスを出さない人が多い」からです。

どんなに高価な時計もお金があれば誰でも買えます。
それが入手困難であろうとプレミアが付いてあろうと。
お金があればどんなものも買えますが、
時計を大切にする気持ちはお金では買えません。

時計を買う理由は様々だと思いますが、
時計のメンテナンスは本当にその時計を大切に思うからこそ、
定期的なオーバーホールを行おうと思うもの。
自分がせっかく時間とお金をかけて選んだ時計なのだから、
それを維持するのであればメンテナンスは絶対に欠かせないものです。

今回は12年間も未整備の状態だったロレックス・サブマリーナデイト。




この辺の時計は「丈夫」というよりは、
構造上「とにかく動かす」時計。
なので機械油が無くなるとパーツが見る見るうちに摩耗し、
未整備の場合は裏蓋を開けると油の固着だけでなく、
鉄粉つまりパーツが擦れて粉々になったものが油と混ざりますので、
ビックリするくらい真っ黒になります。
それを洗い流しサビを取り新しい機械油を差し直す。
その中で必要なパーツ交換を行うのですが、
それもいつまでできるかはわかりません。

ロレックスのパーツは時計と同じで年々値上がりしています。
ネジ1つでも数千円、歯車一つで数万円するのもザラ。
それこそ状態があまりにも酷い場合は時計を買うくらいの修理代金がかかります。
でも勘違いしてほしくないのは
「オーバーホールをする=新品に戻る」わけではないんです。

メーカー以外で修理する場合は基本的に使えるパーツは使います。
やたらめったらとパーツ交換を行うのはもったいない。
なので修理代金も最小限に抑えたいという気持ちからですが、
機械のパーツは油を指しても微量ながら摩耗は進むもの。
これは時計の構造上、仕方がありません。
しかしメンテンナンスをしなければいずれ止まるか破損します。
それを防ぐ方法は「定期的なオーバーホール」しかありません。

時計の値段に関わらず修理は絶対に必要な行為なので、
時計を購入するときは修理代が大体どれくらいかかるのか把握しておくべきだと思いますが、
そこまで考えて時計を買う人は今も昔も多くありません。
だからこそ販売したお店がしっかりとサポートするべきですが、
今回のように持ち込みの修理の場合は提携先の職人さんの判断が全て。
なので修理代金が高いから修理をしないのであれば、
最初から時計なんて買うべきではない。
厳しく聞こえるかもしれませんが、
「身の丈」とは買うだけでなく「維持する」も含まれるのだと思うのです。

とは言えロレックスのこの辺のものであれば何だかんだ直せるから良いのですが、
自社開発系ムーヴや特殊構造のものは技術の問題ではなく、
パーツの手配ができないことが多いのでお断りしています。
そういった部分にも目を向けると時計選びで慎重になるべきポイントが見えてくるはず。
1にも2にも兎に角「メンテンナンスが大事」と何度でもお伝えしたいわけです。

ということで今回の修理内容は

オーバーホール¥25,000
新品仕上げ¥10,000
アンクル交換¥20,000
ゼンマイ交換¥8,000
各種消費税
合計¥69,300

この金額で直せたからいいものの、
次回はどうなるか現段階では見当が付きません。
少なくとも言えることは早め早めのメンテナンスを行えば、
大きな修理にはならないということ。
新品で購入したからといって修理をサボると、
後でものすごい出費になることもあります。

でも大切にしたいという気持ちに応えてくれるのもの「時計」だと思うので、
修理の際はぜひご相談してみてくださいね‼