個人的に時計は「清潔」な方が良いと思います。
言うなれば服装での清潔感に近いもので、
時計そのものに年季が入ることは良いのですが、
垢などの汚れがあるものや革ベルトがクタクタになっているものは、
靴が汚くて服がヨレヨレと同じ意味だと思います。
古い時計で言えば「オリジナリティ」、
つまり当時のままのコンディションを保っていることは、
それはそれで素晴らしいこと。
何年、何十年と時を経ても外装が交換されることなく(修理の際の必要なパーツは除く)、
今も残っているということは奇跡とも言えます。
しかし汚れも一緒に当時のままというのを考えたら・・・
少しゾッとしますね。
なので時計の修理の際に洗浄などで綺麗にすることはもちろん、
普段からのお手入れは靴や服と同様に時計でもやってあげてほしい。
そういった想いもあり、
ウチのお店で販売する時計は可能な限り「キレイ」にして販売します。
時計によってですが過度なポリッシュをせず、
古い時計ならではの文字盤の焼けや変色などの雰囲気を大事にし、
しっかり使ってもらえるように全てメンテンナンスを行います。
でもカルティエのような「上品」な時計は、
必要であれば文字盤交換などを行い新品に近い状態まで仕上げることもあります。
それはカルティエの時計はジュエリー的要素のある時計なので、
汚いと時計本来の魅力が無くなると思います。
ここの時計は袖口からチラッと見えたときに美しくあるべき時計。
そういったイメージがあるので、
ウチで販売しているカルティエの時計に関してはどれもキレイなはず。
それぞれの想いで時計に拘ることも大切ですが、
大切なのは相手への「敬意」。
自分の場合は相手が誰であったとしても、
その人に出会う前に靴を磨き服のシワを取って、
全身鏡の前で何度も装いに可笑しなところが無いのかチェックします。
当然のことながら時計の革ベルトが少しでも汚れていたら交換します。
自分のせいで相手が残念に思われたら嫌ですよね。
今年のクリスマスは外出される方は少ないかもしれませんが、
いつの日かコロナウィルスが落ち着いて、
クリスマスパーティーや忘年会など出掛ける機会が増えたときに、
「自分がどうあるべきか」を考えられていたら良いですよね。
その時に誰からも「この人は本当にちゃんとしている」。
そう思われた方が先にも良い機会に巡り合えそう。
今年は自宅での時間が増えて「服装なんて考えられない」と思いたくなるところですが、
自分の持ち物を再確認して手入れが必要なもの、
修理が必要なものなども見直す良いきっかけなのかもしれません。