何となくですがウチのお店が「ヴィンテージカルティエ」のお店になっている気がする(笑)
多分それは気のせいなどではなく紛れもない「事実」。
それについて考えてみて最近気付いたことがある。
「歳を取ると新品が似合わない」
何というか、
キレイなものというよりピカピカで真っ新のものが似合わない。
例えば真っ新な白いスニーカー。
値段に関わらず真っ新なものを身に着けると妙に浮く。
気持ちの持ち様だったり、
それこそ気のせいだったりするのかもしれない。
でも何だか似合わない。
なので最近のスニーカーは黒、グレー、ダークブラウンを選んでいる。
そして最近推している「ヴィンテージデニム」。
これも何でだろうと考えた末、
リジット(未洗い)が自分に似合っていない。
デニムは物によって色落ちが楽しめたりするのだが、
真っ新なブルージーンズが白いスニーカーと同様に妙に浮く。
何ならボロボロのリペアだらけの色落ちしたアイスブルーの方がしっくりくる。
なので最近はヴィンテージデニムを履くことが多い。
しかしながらヴィンテージデニムの時は上質なカシミアのニットや、
質の良い革靴などを合わせるようにしており、
上下共に古着だったり、
ワークブーツやエンジニアブーツの類は合わせないようにしている。
それこそミリタリージャケットにヴィンテージデニムを履いた時点で、
どこぞの帰還兵か懐古主義者、
お金が無くて昔から同じ服しか着ていない人のように見えてしまう。
身体付きが良ければランボーとでも言えそうな気もしなくはないが、
ランボーが好きな女性がどれくらいいるだろう?
気持ちとしては春らしく白いオールスターやスタンスミスを履いて、
リジットデニムにセントジェームスのボーダーTシャツを着たいと思うものの、
顔と全然マッチしない。
一歩間違えれば「清純派」を気取ったコスプレに見えてくる。
だが「答え」はまさにそこだった…
「顔」
そう自分の顔。
当たり前の話だが10代、20代の頃より老けてシワやシミ、くすみが増えている。
だから真っ新なものが似合っていないのでは?と気付いた。
恐らく白いスニーカーもリジットデニムも、
若々しくて瑞々しい「肌」があるからこそ似合う。
しかし歳を重ねて水分が抜けた肌には、
少しくらい「ダメージ」があるものの方がバランスが取れている気がする。
何となくだが百貨店に通う高齢の女性は、
ジュエリーなどを沢山身に着けているイメージがある。
「シンプル」とは対極の存在とでも言える恰好をしている人が少なくない。
そういう人達はお金があるからというよりは、
自分を知った上で装っていると推測するがどうだろう?
高齢女性がジュエリーを沢山身に着けても違和感は無い。
一方で20代くらいでキンキンキラキラは違和感しか無い。
そう考えると「流行っているから」「人気だから」という曖昧な理由で物を選べない。
そもそも「自分に似合う」とは全くの別問題。
30代くらいならまだしも、
40代にもなれば「自分に似合う」と同時に「自分に必要」もある程度分かるはず。
そして目を覆いたくなるような「身体の老い」も嫌でも分かってしまう。
それらに気付きはじめ導き出した結果、
先ほどのヴィンテージデニムに上質なカシミアニットの組み合わせは、
正に「バランスを取る」の最たるものだと思う。
そうなれば時計も不要な機能やデザインは必要無い。
装いに華を添えてくれる存在であり決して悪目立ちをしない。
何より自分自身を「主役」に引き立て「一層より良く」してくれるものであって欲しい。
身に着けているものが自分より目立ったのでは…?でしかない。
そういうことを考え直した時にヴィンテージの「カルティエ」は非常にバランスがいい。
決して華美にならず変に出しゃばらない。
まぁ古い時計は総じてそういったものが多いと思うのでオメガやセイコーなども決して悪くない。
それぞれにそれぞれの良さがあるので、
もちろん現行品も否定はしない。
ただ「バランスを取る」ことを考えれば、
自ずと選ぶべきものが見えてくるはず。
40歳を迎える年になり言えることは、
10代や20代、30代と同じ土俵で戦ってはならない。
絶対的に体力面で勝てないし、
「若さ」そのものが最大の魅力で武器でもある。
クワトロ・バジーナの名言を思い出すところだが、
誰しもが迎える「老い」は決して逃れることはできない。
だからこそ老いに抗うのではなく、
素直に受け入れて自分を変えていった方が良い気がする。
どうせ何歳だったとしてもいつかは40歳、50歳、60歳になるんだし。
「バランスを取る」
それは選ぶアイテムのことはもちろん自分自身を天秤にかけ、
見比べて悩んだ結果に辿り着く「スタイル」だと思います。
自分が出した今の結果はこの写真の通りかな。
「古くてダメージがあるものに華を添える」
劣化している自分にちょうどいい華やかさみたいな(笑)
ただ最後の最後に言えることは…
「好きなものを選ぶ」
これが一番‼