昨今の「値上げ」が一つの話題となり、
各ジャンル原料高などによる値上げが続きます。
書く言う私共も材料費の高騰などもあり、
なるべくは値上げしないように頑張ってはいるものの、
メーカー修理などは今後否応無しに値上げすることが予想されます。
ちょっとネガティブに感じる値上げも角度を変えてみると、
「今あるもの」に目を向ければ意外な発見があったりします。
ペンキ塗れのデニムパンツではありません(笑)
2000年代の一大デニムブームを巻き起こした「ドルチェ&ガッバーナ」のデニムパンツ。
普段着から少しフォーマルな時にデニムパンツを履かせたのは、
間違いなくこのブランドではないでしょうか?
かつてはデニムパンツのことをジーンズやジーパンと呼んでいましたが、
ドルガバが一躍世界中で人気になった頃に「デニム」と言わせたと記憶しています。
デニムは本来「素材」の呼称だったそうで、
デニム「シャツ」は問題ありませんが他のデニム○○はちょっと違和感がありました。
時は経ち今ではジーンズやジーパン、ジージャンなんて言った日には、
若い販売員さんから「?」な顔をされそうです。
この数年はヴィンテージジーンズにハマって色々買い漁っていたものの、
ヴィンテージのリーバイスなどは一層人気が高まり良いものが買えなくなってきました。
そこで洋服ジャンキー?の私としては20代の頃に人気だったものを徐々に買ってみようと思い始めました。
振り返れば自分が20代の頃のアイテムもそろそろヴィンテージ。
つまり自分もその分年老いた…チーン。
でも上着などは当時のシルエットになるので時代遅れな感じが出てしまう。
当然20年前に流行った靴は先が尖ったものが比較的多いので履きづらい。
そこで一大ブームだった「ドルガバのデニム」が久々に欲しくなりました。
当時としては斬新なデザインやカッティング、
奇想天外なアイデアをデニムパンツで表現し、
男性はもちろん女性のファッションアイコンの一つだったドルガバ。
今でこそファッションとしての声を聞くことは少なくなりましたが、
20年前の新宿や渋谷、銀座界隈でドルガバのデニムを履いていない人の方が少ない?
そう思えてきそうなほどどこでもかしこもドルガバのデニムに溢れていました。
ドルガバのデニムで印象的だったのはダブルウエストやエキゾチックレザーを随所に使ったり、
スタッズやスパンコールをフロントやサイドに張り巡らせたもの、
自分でも清水ダイブして買ったバックベルト付きなど、
本当に様々なデザインをしたものが売られていました。
今見ても思い浮かびそうにない派手なものが多かったのは「時代」というものでしょう。
こちらは中古ではあるものの比較的良品…
ダメージ加工をしているので良品という表現は良いのだろうか?
バックポケットにはフラップがあり意外と心に刺さるディティール。
フロントはダブルポケットという当時らしい変なディティール(笑)
でもこういうのがドルガバのデニム「らしさ」なのでOK。
ここのデニムはストレートで少し太めのローライズが多い。
何となくLEE101をローライズにしたような感じでしょうか?
値段はびっくりするほど高くはないものの、
クォリティは2000年代のものはとにかく低い。
縫製が悪いのは当時のインポート物の特徴なので、
履きながら解れたら直すみたいな感じです。
でもデザインや履き心地は気に入っているのでこれで良し。
「ヴィンテージ」はそもそも安くて良いものや面白いものが買えるから良かったのですが、
変に値段が張るものはどうなんだろうと疑問に思うことがあります。
「値上げする」というのは様々な理由がありますが、
これは時代なのだから仕方がない。
でも今あるものに目を向けて自分に合わせてカスタマイズすることは、
値段に対抗する唯一のオリジナリティだと思います。
こんな時代だからこそ手頃に買えるものを自分なりに楽しむのであれば、
ネガティブなニュースもポジティブになります。
ファッションは誰にとっても本当に楽しいもので、
ファッションは元々そういうものです。
もっと色々なことを楽しんでいきましょう‼