開店以来カルティエの時計を多く扱うことで、
近隣はもちろん日本全国はたまた海外からも沢山のオファーを頂き、
おかげさまで日々嬉しい限りです。
会社員の頃から時計を扱う仕事をしてきましたが、
実はそこまでカルティエの時計に詳しいわけではありませんでした(笑)
元々ヴィンテージのロレックスから時計の興味を持ち、
オメガやIWCなども知ることとなったのですが、
一般販売が遅かったカルティエは古い時計の流通量があまり多くなかったこともあり、
余程の興味を持たない限り触れる機会はありませんでした。
都内の某並行輸入店で働くこととなったときに初めてカルティエの時計を扱うこととなりましたが、
古いものと言うよりは現行品をメインにしていたので、
実際のところはカリブル辺りからが馴染みがあるブランドでした。
独立して自分のお店を始めた時もほんの数本程度。
そこから1点1点ケースから中の機械から各パーツに至るまで、
独学で覚え今に至ります。
これといった資料も多くないので、
実際に手に取ってバラしてみないと分からないことだらけ。
まぁそんな感じだったので何度か悪意のあるものも手にしましたが、
そういったことの積み重ねがあって今があるということになります。
カルティエの時計に持つ自分なりのイメージは、
「上品」、「上品」、「上品」…
つまり上品な時計のイメージが強く、
ロレックスなどとは全く違うジャンルの時計。
言うなれば車だとスポーツカーから軽自動車まで様々ありますが、
カルティエの時計はステキな人と2人だけしか乗れない2シーターの車のようなものでしょうか。
違うか!(笑)
そういったイメージが強い時計のせいか、
個人的に好きなダメージ多めのコンディションよりは、
きっちりと外装までメンテナンスしたものが良いと思います。
かなり久しぶりの入荷となったタンクルイカルティエのLMサイズ。
やはり何度見ても綺麗な時計。
黄金比とも言える縦と横のサイズ感、
文字盤のデザインと文字の配列、
正面から見ても横から見ても斜めから見ても芸術的なフォルム。
こういう時計なのでヤレているより綺麗な方が良い。
こういう時計を末代まで大切にしても良いし、
大切な人へ突然のプレゼントをしても良い。
そういう「いざ」と言う時のために、
やはり綺麗に仕上げている方が良いのかなと思います。
この時計は自分自身が見栄を張る時計ではなく、
本当に「恰好を付ける」ための時計だと思います。
結局大切なのは人としてどうなのか?
大切な人にポンッと何気なくあげられたら、
めちゃくちゃカッコ良くないですか?
自分だったら絶対しませんけど…。