普段着ませんが男性の「スーツ」には一家言あります。
昨日は七五三で太宰府天満宮へ行ってきました。
初めて行く大宰府がまさか自分の子供の七五三で、
さらに七五三を大宰府で迎えるとは5年前に夢にも思いませんでした。
実はこんな機会で初めて知ったのですが神前では「装い」を整えないといけないそうで、
普段着で行こうと思ったら…✖。
年に何回かしか着ませんがこの秋初めて「スーツ」を着ました。
自前のスーツは過去に何度か紹介した広島の「The My Way」という所で毎回オーダーしています。
代表の清水君とは本当に仲良くしてもらっており、
時々飲みに行くときも毎回面白い話をしてくれるし自分のためになることをいつも教わっています。
年下ですが細かいところまで気配りができそれをさり気なくやる。
まさに「粋」な男子です。
これから新しい店舗で営業を始め同時にホームページをリニューアルするそうですから、
これからも今以上に頑張って欲しいです‼
今の時代オーダースーツですら安く買えるようになりましたが、
値段よりも大事なのは「思った通りに作ってもらう」こと。
お願いしたことや細かいこともキッチリやってくれる人にスーツはオーダーしないと色々大変なんです。
時計に近いところもありますが本当に信頼ができて話が分かってくれる人にお願いするべきアイテムの一つです。
さて相変わらず前置きが長いですが今回はスーツの「装い」について。
今は自営業になりスーツは本当に着る機会が減りましたが、
会社員のころは毎日着用していました。
その時は毎日着るものだからと思い色々試してきましたが、
店舗がそこら中にある「ツープライス」はホント値段相応。
最近でこそ生地やバリエーションが増えましたが耐久性がイマイチ。
そして肩幅と胸囲のサイズが大きめの自分にはサイズが合わない。
スーツに限らず服を合わせる基本は「肩幅」。
それに合わせると180センチくらいの人が着るものを選ばないといけないので丈が少し長くなる。
ちなみにワタクシ173cmなんで結構背が低いんです…どーでもいいですね(笑)
そういったこともあり昔から普段着もインポート物を着ることが多いのですが、
そうすると今度は値段が倍以上は高くなる。
最近流行りのイタリア製のものはジャケットだけで8万円から、
スーツは15万円からが相場ではないでしょうか?
とてもじゃないですけ高過ぎて何着も買えません。
さらに最近のインポート物は変に流行があるようで、
今年のものは今着ればカッコいいかもしれませんが数年後には古く見えてしまう。
特に柄物は着ることができてもせいぜい3年くらいではないでしょうか?
毎日着る方にとってはちょっともったいなく感じます。
そこで実は「オーダースーツ」という選択肢もアリなんです。
何となくですが世間の持つ「オーダースーツ」ってめちゃくちゃ値段が高いと思っているのでは?
自分に合わせて作るから?生地は選べるけどどれも高価?デティールを入れたら値段が跳ね上がる?
全然そんなことはなですよ。
「オーダー」といっても生地から作る「フルオーダー」なら数十万円や数百万円するかもしれませんが、
ほとんどは「パターンオーダー」なので元からの型紙から作るスーツを自分に合わせていくので値段はそこまで高くありません。
詳しくは専門のお店の方に聞かれた方が良いと思いますが、
どこまでやるかによりますが有名ブランドの生地を使ってもせいぜい10万円台前半くらいでは?
今回オーダーしたものは「サキソニー」というフランネルに近い素材。
ドイツ発祥の生地だそうで柔らかく暖かい。
そして丈夫で少しストレッチも効くのでめちゃくちゃ着やすいんです。
裏地は表に合わせてグレーのキュプラ、ボタンは生地に艶がないので黒蝶貝。
形はフィレンツェ仕立てで背抜き、バルカポケット、サイドベンツ、段返り3つボタン、
パンツは2アウトプリーツで裾幅17cmダブル折り返し5cm…
多分ほとんどの人は何言ってんだ?となると思います(笑)
ただスーツは国や地域で形が違ったり色々なディティールがあるので奥が深くて面白い。
こういったのもお店の人からの知識や本などで勉強するとより一層スーツも楽しくなります。
自分の体形が背に対して肩幅と胸囲があり手足が細い顔がデカイ…
若干生まれ変わりたくなる体型ですが(笑)
それに合う既製品って本当に見つからない。
なので既製品をお直ししていましたがお直し代って意外と安くない。
それこそ10万円の既製スーツを買うくらいなら最初からオーダーした方が安くて早い。
ただもっと大事なのは…
「せっかくオーダーするのなら本当に品質が良くしっかりしたものを作る」こと。
スーツは時計同様、値段だけで判断できません。
値段が高いモードブランドのスーツは生地は確かに柔らかくて着心地も良い。
でもそれは生地の薄さも重要なポイント。
なぜなら生地の耐久性が弱いからそこまで持たない。
「着心地が良い」「軽い」「柔らかい」は生地を薄くすることで実現します。
だから一生モノだと思って買っても10年以上着ることができません。
でもそれ以前に10年も経てば形が古くなるのもありますね。
また最近流行りのOEMブランドも近いものがあります。
毎年面白くて本当に織りが綺麗な生地を沢山作って製品にしますが、
一目でそれだと分かるものが多く普段着ならまだしもビジネスできるにはちょっと派手な気がします。
ここがイタリアならアリかもしれませんが、
日本のビジネスマンでそれらが似合うほどの体型や顔の濃さの方は多くありません。
先ず品質は今だけ良ければいいではなく今後も永く着られるように織がしっかりした生地を選ぶのが重要です。
そうすると流行りの生地のような柔らかさや軽さは無くなりますが、
着込めば着込んでいくだけ自分に馴染んできます。
もちろん生地である以上いつの日か破れたり裂けてしまうことがあるかもしれません。
その時はお直しをしてまた着ることができます。
最近イギリスのチャールズ皇太子の装いが話題になりましたね。
あれだけの人が実はスーツも靴も継ぎ接ぎをしながら何十年も同じものを使っていた。
本当のジェントルマンのお手本とも言える粋でカッコいい装いです。
でも若い頃は「ダサい」と思われていたそうですが、
ブレない姿勢も含めそういったところが今になって注目されたということは素晴らしいことです。
そして本当にしっかりと作り上げたものは子供にも引き継げる。
先ほどのチャールズ皇太子のように継ぎ接ぎをしながらスーツや靴を子供に引き継ぐのがイギリスにはあるそうです。
その話を聞いた時に時計だけではなく衣類や靴も引き継げることに感動しました。
だからこそ引き継ぐべきものは「普通」でいいんです普通で。
時計も一緒ですがデカデカギラギラして修理代が何万円も何十万円も掛かるものをもらっても困りますよね?
スーツも昔のブランド物や形が古臭かったり派手なものは…時計よりも要らないかも。
それよりは普遍的でいつの時代にもスタンダードな生地や色、形であればもらっても悪い気はしない。
何と言ってもスーツは1950年代には完成されていたそうですから、
絶対的に間違いのないものは男性なら一着は持っておくべきかもしれないですね。
自分の子供が男の子で将来何か遺そうと思ったときにお金は残さないのが我が家。
それよりも伝統的なものを引き継ぎたいと思ったときに時計はもちろんスーツや靴も良いのかもしれません。
その時の体型が合えばの話ですがそういったことを意識すると、
今だけでなく今後も使えて大切にできるものを選ぶようになりました。
本当に良いものは決して値段が安くありませんが高すぎる必要もない。
ちゃんとした品質のものを見ることができる目を自分自身で養い、
選んだものを遺していくというのもロマンがあっていいものではないでしょうか?
・・・しっかし、自撮りって普段はしないのでこの写真が何だか違和感(笑)
慣れないことはするものではないですね。
多分今回で自撮り写真を載せるのは最後かもしれません(笑)