この年代の時計も3年に一度のオーバーホールを推奨します。

この年代の時計も3年に一度のオーバーホールを推奨します。

先日お預かりしたロレックス・ヨットマスターの修理依頼。

職人さんのお正月休み返上で修理が完了しました‼

自分が初めて時計の仕事に携わった頃に爆発的人気だった通称ロレジウム。

ロレックスで初となるプラチナ×ステンレスの組み合わせが非常に話題となり、

カルティエ・パシャなどと並んで「ビーチサイドウォッチ」という新しいジャンルを築きました。

今で言うラグジュアリースポーツの前身のようなものですね。

 

当時のロレックスとしては少しハデ目なデザインで、

ベゼルと文字盤にプラチナを使用するという大胆な発想はデビューしてすぐはイマイチな評価。

何より販売価格が高いのと、

ダイバーズウォッチかと思いきや100m防水という見た目に反した防水性能もあってか、

同じくらいの金額ならサブマリーナやGMTマスターのコンビモデルや、

ダイヤやルビーなどの石付きのモデルの方が売れていました。

 

とは言え後々は洋服などもラグジュアリーなものが売れ出したこともあり、

他のスポーツモデルと並ぶ人気モデルになりました。

 

今回は2004年製のもので十数年前にオーバーホールをされたそう。

かなり修理をサボっていたようなのでそこそこ修理代金は掛かりましたが、

バッチリ仕上がっております。

今回は…

 

オーバーホール¥27,500

新品仕上げ¥11,000

三番車交換¥22,000

ツツカナ交換¥8,800

合計¥69,300

 

過去のブログでも書いた通りロレックスのCal.3000番台以降の機械は、

とにかく高回転でローターを回して精度を出す機械なので、

油切れは機械そのものに致命的なダメージを与えます。

今回は上記のパーツ交換が必要でしたが、

次回はゼンマイや二番車、ローター芯などの交換が必要かもしれません。

 

昨今の時計の値上げに続いてパーツ代も高騰しています。

オーバーホールの基本料金よりパーツ代の方が値段が高いことはザラにあり、

最悪の場合はパーツ代だけで10万円近く掛かることもあります。

 

大きな修理にならないようにするために、

できれば3年に一度はオーバーホールを推奨します。

メーカー修理となれば10万円そこらでは修理ができず、

20万円以上掛かったという話も聞くことがありますので、

早め早めのオーバーホールがやはり重要となります。