本日入荷しました「セイコー・ロードマーベル」は久しぶりの入荷。
今回は非常に貴重なオールステンレスモデルの彫り文字盤です。
セイコーの高級機種マーベルを改良し1958年に登場したロードマーベルシリーズ。
昨日入荷したものも含めると20年近く製造されたセイコー有数のロングセラーモデル。
今回はロゴを彫り込んだ初期にあたる通称「彫り文字盤」。
過去に数回ほど扱ったことのあるオールステンレスモデルは、
一般的な金張りモデルに比べると極端に数が少ない希少品。
一説では当時のステンレス加工の技術が発達していなかったことから、
この形状のケースを作り出すことが難しかったとか。
後にグランドセイコーの母体となったことでも有名なロードマーベルですが、
その際も金張りまたはプラチナモデルしか生産されず、
ステンレスモデルのラインナップは無かったことに通じるのかもしれません。
ハマグリケースと呼ばれる金張りケースや金無垢モデルに対し、
裏蓋はフラットなのがステンレスモデルの特徴。
裏蓋の刻印が薄れていることが多いのですが、
こちらの個体はしっかりと確認ができますね。
文字盤も含めコンディションは非常に良好で、
昨今の事情を考えると良品と言えるのではないでしょうか?
これほどのコンディションのものはなかなか見られません。
大きさはグランドセイコーファーストよりも小振りなサイズ感。
この何とも言えない絶妙な大きさは国産腕時計の魅力でもあります。
当時の最高級品とされるだけあって身に着けた時の高級感も別格です。
それが製造から70年近くが経とうとしているにも関わらず、
その雰囲気はおとろえるどころか輝きを増す一方。
戦後復興は果たした日本から、世界に発信できるような腕時計の足掛けになったロードマーベル。
当時の職人さんの想いが感じ取られる細部の繊細さは、今の時計には無い魅力です。
当時の時代背景を感じられるのもヴィンテージウォッチの良さですが、
それを色濃く感じられるロードマーベルは「国宝」と言っても過言ではない存在です。