本日入荷しました「カルティエ・マストタンク」は、
1990年代に製造されたマストタンクで個人的に一番好きなデザイン。
ここまで攻めたデザインをしたマストタンクは非常にユニークに感じます。

文字盤の両脇にプリントされたローマンインデックス。
それを隔てるゴールドのラインが非常に美しく、
ケースデザインと調和が取れた絶妙なデザイン。
マストタンクを含め長方形の時計は、
ケースデザインこそ縦型であっても針の動きは円を描いて動くものなので、
インデックスの位置は針に合わせた方が時刻を見えやすくします。
しかしこちらは針の動きに対してではなく、ケースに対してインデックスをデザインしているので、
一瞬、今の時刻が何時なのか分からないような気がしてきます。
それでも実際に時計を使用すると時刻の見え方は一般的な時計と全く同じで、
時刻を間違えることはありません。
インデックスの位置だけでなく、針を含めたインデックスの大きさや、
ケースとのバランスを全て計算して時計をデザインされたことが伺えます。

マストタンクは本当に多くのデザインがある面白い時計ですが、
見れば見るほど「デザインをする」ことの細かさを実現したものは、
こちらのものが一番実感できると思います。
きっと何度も試作を重ねてこのデザインへ辿り着いたことが、
時計を持つことで少しずつ感じ取られてきます。
こんなにワクワクさせてくれる時計はなかなか出会えません。

タンクをはじめカルティエの製品は「身に着ける芸術品」だと思いますが、
ハイエンドモデルだけではなくエントリーモデルからそれを実感できる。
だからこそ世界中で愛されるブランドなのだと改めて感動します。
もちろんヴィンテージウォッチとは言え、こちらの時計も決して安いものではありませんが、
この金額で実感できる芸術やものづくりの素晴らしさを感じ取れるのであれば、
それを金額だけで計るのは野暮なのかもしれません。
ぜひこちらのマストタンクから、芸術を身近に感じてみてください。
