当店でも非常に人気の高い「カルティエ・マストタンク」。
よく見るカルティエらしいレイルウェイデザインをはじめ、
現行品からは考えられないようなポップなデザインや可愛らしいものまで、
本当に数多くのデザインバリエーションが面白い時計。
とは言え奇を衒ったものだと今はよくとも永くは使いにくい、
そう思う方が多いからなのか、
生産初頭からラインナップされるアイボリーローマ文字盤はよくできた時計です。
現行品から見れば小振りな時計かもしれませんが、
本来ドレスウォッチとはこのくらいのサイズが「常識」なんです。
シャツの袖に収まる程良いサイズ感で、
秒針や日付などの機能を持たない至極シンプルな2針、
ここで「金無垢」だったら完璧なドレスウォッチですが、
マストタンクをはじめマストシリーズは「持たなければならない」をコンセプトにしているので、
万人が買えるように素材を「ヴェルメイユ=シルバー925」ベースにしているのです。
ここで本来はホワイトローマ文字盤にしたかったのだと思うのですが、
それだと金無垢素材のタンクルイとの区別が付きにくい。
最初期のホワイトローマは別として、
そういった思惑があってなのかアイボリーカラーになったのだと推測します。
何はともあれ「定番」と言われるだけあって装いを選ばず使いやすい。
腕時計は本来そうであるべきアイテムなのですが、
昨今はファッション性や資産性など時計とは関係ない付加価値ばかりがクローズアップされますが、
クラシックな装いとは教養であり知性の表れ。
「装う」とはマナーであることをお忘れなく。
だからこそ服装と同時に選ぶ時計も重要なのです。