本日入荷しました「オメガ・ジュネーヴ」は1975年製となるレディースモデル。
幅広いデザインバリエーションを有するヴィンテージオメガらしい小振りなサイズ感が魅力的です。

現行品の9割以上は電池式の時計とされるレディースモデルの腕時計。
さらにケースサイズも25mm以下のものはほとんど見かけません。
しかしヴィンテージウォッチとなれば多くは手巻きか自動巻きの機械式腕時計。
そしてケースサイズも大きければ30mmほどで、多くは20mm~25mm辺りのケースサイズ。
今では考えられないほど手間暇をかけた時計であることは何となく伝わるはず。
時計は小さければ小さいほど作業工程が増えるので、
現代ではコスト面を考えても小振りな時計は多くありません。
ケースの成型から各パーツの製造まで、非常に細かで緻密な作業を要します。
さらにムーヴメントもクォーツ時計の方が機械式の時計に比べれば安価で、
メンテナンスの時も機械式腕時計ほどの作業はかかりません。

この20mmのケースの中に細かなパーツが重なり合って動いているのが機械式腕時計。
こちらの時計はオメガ・ジュネーヴという比較的安価なラインですが、
その構造や製造コストを考えると値段以上の価値があるのも納得できる造りです。

機械はヴィンテージオメガで非常に流通量の多いCal.625。
レディースモデルに限らずメンズサイズの時計にも採用されている名機の一つ。
精度や耐久性に優れパーツの流通も多いので、
メンテナンスの心配がほとんどいらない安心のムーヴメントです。
今回の個体は1975年に製造され日常使用されていないデッドストック品。
昨日に続きデッドストックでの入荷となりますが、
こういったベーシックな時計で未使用に近いコンディションのものは、
奇跡に近い確率と言えるほど数が少ない。
それもそのはずで、出荷時の保護シールが残った状態の上、
当時のストラップやバックルも残ったままというのは、
ヴィンテージウォッチではまず見かけません。

ヴィンテージウォッチのほとんどは使用された中古のもの。
一つ一つのコンディションが違うことも言えますが、
ここまで状態の良い年代物が出てくることは如何に凄いことなのか、
言葉で伝える以上に素晴らしいことであることをご理解いただきたい。
50年間、保管されたままであろう状態で見つけられたこちらの時計は、
今こうして日の目を見る機会に恵まれました。
これも何かの縁であり運命というものかもしれません。
こういった経緯のあるものが今の時代でも出会うことができる。
新品の商品では感じられない出会いもヴィンテージ品ならではの魅力です。
この機会にぜひファーストオーナーになられてみてはいかがでしょうか?
