カルティエ・マストシリーズのケース変色について

カルティエ・マストシリーズのケース変色について

当店でも大人気のカルティエ・マストシリーズ。

開店当初から取り扱いをはじめ現在まで本当に多くのお客様にご愛用いただいている人気のアイテム。

 

こちらのシリーズはケースの素材にシルバー925を使用し表面に18金メッキ加工を施した、

「ヴェルメイユ(Vermeil)」と呼ばれる技法を用いたものとなります。

 

素材の性質上、シルバーは空気に触れると硫化し黒っぽく変色しますし、

ゴールドは紫外線などの影響で青紫色に変色します。

 

 

これは空気や紫外線などが存在する以上は避けることはできず、

現代の技術で変色しなくする方法は恐らく存在しません。

 

2004年頃にマストシリーズは全て生産終了となりますが、

他ブランドも含め金張り加工をされたケースは職人の工賃が非常に高く、

腕時計としての販売コストに見合わなかったと聞きます。

 

またコストを掛けて製造しても変色は避けられず多くのクレームがあったと予想されますので、

様々な理由からヴェルメイユ素材などは使われなくなったと思われます。

 

腕時計は各年代で時代背景が感じられることもあり、

時計のデザインだけでなく素材からも様々な考察ができ、

資料的な価値も生み出しているものだと常々思っております。

 

しかし変色が発生することは仕方がないにしても、

ユーザー自身で対処する方法を提案することは、

こういった製品を扱うお店の役割だと考えます。

 

 

当店ではマストシリーズの時計をご購入頂く際に、

研磨剤入りのポリッシングクロスをお渡ししています。

 

シルバー磨き用の布なので市販のものと同じですが、

今のところユーザー自身で対処する方法は、

このポリッシングクロスで磨く以外はありません。

 

素材の性質を考えればベストな選択だと思いますが、

他方で変色することや表面の金張りが剥がれることも「味わい」の一つと考えられる方も一定数おられるので、

正解はオーナー自身で導いていただけますと幸いでございます。

 

ただ私共としては可能な限りの対応をさせて頂きますので、

何かございました際はお気軽にご相談くださいませ。