メーカー修理は何もかもが「100%」ではありません。

メーカー修理は何もかもが「100%」ではありません。

先日ご依頼いただきました顧客様の時計修理。

今回は電池交換のご依頼でしたがなぜかリューズの操作ができないため、

一先ず内部を分解して確認を行いました。

 

 

こちらのカルティエ・パンテールは3年ほど前にメーカー修理を行い販売したもの。

 

その時は撮影も兼ねてリューズの操作を行うのですが、

全く問題が無くスムーズに操作が行えました。

 

そして今回の電池交換の際にリューズを引っ張っても全く引けません。

少し硬いくらいならまだしも全く動かないというのは考えづらく、

一先ず裏蓋を開けて機械板を外してみました。

 

そうするとリューズに接着剤のようなものが付着しており、

恐らくそれが原因でリューズが引けなかったのだと思います。

 

当然ですがお客様がリューズに接着剤を入れるわけはありませんので原因を考えてみたところ、

可能性としてはメーカー修理の際にリューズと巻き芯を繋げるときに接着剤が多く、

それが漏れ出したものが年月が経って固まったものと思われます。

 

当たり前ですが悪意があるものではなく、

人が作業することなので些細なトラブルがあってもおかしくありません。

 

ただ今回はメーカーの保証期間も切れており保証対応は難しいと判断したため、

当店でオーバーホールを兼ねて修理を行いました。

 

今回は例外中の例外なのでお客様負担は無く無償対応。


こういった稀な事例もあるので改めてパーツがあって安心しましたが、

メーカーで修理を行っても「100%の動作保証」をするものではありません。

誤った使い方を除いて自然故障は起こり得るものです。

 

こういったことがあったからといって良い悪いの判断をするのではなく、

何かあってもしっかりと対処をするかどうかの方が重要です。

 

私共の修理も含めメーカーであっても他店様であっても、

限りなく100%に近い作業を行うように心掛けていますが、

それでも何かしらのトラブルがあるものです。

 

それは時計の修理を行うのがロボットではなく人間であること。

人が行うことに100%は存在しないのと同時に、

今のテクノロジーでは人間にしか時計の修理はできません。

 

言い訳をするつもりはありませんが善悪ではなく事後処理をどうするか?

それが一番大切なのではないかと考えさせられる一件でした。