先日ご依頼いただいた顧客様の定期メンテナンス。
貴重な存在となりつつあるキングセイコーファーストモデルの中でも、
最初期に生産されたものは非常に価格高騰が進んでおります。
こちらはキングセイコーファーストの前期型の最初期モデル。
見ただけで分かる方は相当な国産腕時計好きな方と思われます。
最初期の見分け方は6時側に表記されている石数の「25」が小さいもの。
1961年にキングセイコーファーストが誕生したのですが、
小さい表記のものは生産期間が1年未満と非常に短く、
後年のものは表記が縦長の大きいものへと変わります。
細かい部分ですが、ここの表記の違いで販売価格が5万円前後の差があります。
ただ一般の方には何のことか分からないでしょうし、
こちらのオーナーの方もよく分かっていません(笑)
こちらを買ってくださった時の販売価格は10万円前後だったと思いますが、
同じくらいのコンディションで今販売すると20万円は超えると思われます。
ヴィンテージウォッチの価格高騰が進んだことを実感するのと共に、
10年ほど前とは言え買ってくださった顧客様に感謝の気持ちでいっぱいです。
今回はオーバーホールとベルト交換のご依頼。
定期的にオーバーホールをご依頼いただくので本当に大切に使ってくださっているのだと、
私共にもヒシヒシと伝わります。
その気持ちにお応えするべく、今回もしっかりと修理を行いました。
これでまた永く使えますね!