先日お預かりした当店販売品の定期メンテナンス。
今回はオーバーホールのご依頼で作業が完了したのですが…
オーバーホールが終わり最終チェックをしていましたが、
どうにもパワーリザーブが弱く数時間で止まってしまう。
最初は初期不良を疑いました。
時計の修理は人間が行う作業なので、何かしらのミスがあることもあるので仕方がありませんが、
この時計に使われているムーヴメントはよほどのことがない限り不具合は起こりません。
それもあって何だかおかしいなと思いリューズを巻いていると…
パシュッ、パシュッ、という音がします。
「これは完全にゼンマイ切れだ~」。
数年に一度あるか無いか、本当に稀に起こるオーバーホール後のゼンマイ切れ。
当店の修理は使えるパーツは壊れるまで使うので、
ゼンマイも交換の必要が無ければそのまま使用しますが、
ゼンマイは一番劣化するパーツでもあるのでいつの日か破損しますが、
このタイミングで良かったのかもしれません。
お客様に引き渡しが終わってすぐにゼンマイが切れるとお客様が困ります。
お渡しする前に異変に気付けたから良かったので前向きに今回の件を捉えていますが、
通常よりお時間を頂いたことは申し訳なく思っております。
最終チェックの旨を伝えてからゼンマイが切れたので、
今回はオーバーホール¥19,800のみのご請求。
多少の赤字は仕方がありませんが、こういう時もあるので気にしていられません。
とりあえずお客様には無事にお渡しもできたことですので、
また次回のオーバーホールまでガシガシ使っていただけることでしょう。
この度もありがとうございました!