去年の秋から着込んでかなり馴染みました。
去年の秋から着込んでかなり馴染んできたイサムカタヤマバックラッシュのオリーチェレザーを使ったライダース。
レザーが好きなお客様との会話で出てくるこちらのライダースはなかなか言うことを聞かないヤツです。
肩回りがまだまだ固い‼
そういうところも含めてレザーは本当に面白い物なのですが、
今回はそのレザーについて。
男性の3種の神器?と勝手に決めている
「時計」「革靴」「レザージャケット」
どれも面白いアイテムなのですが、
買うのなら本気で良い物を選んでほしい。
でも何を基準に「良い物」とするのかが難しい。
今日のブログがその参考になると幸いです。
「時計」は言うまでもありませんね。
雑誌やメディアがどんなに煽ろうとも絶対に流行りや金額だけで選ばない方が良い。
デザイン、メンテナンス性そしてサイズで選んでほしい。
その辺は書き出したら長くなるので過去のブログを読んでいただくか店頭でお話しします(笑)
「革靴」は時計と近い感覚がありますが、
これも流行りで選ぶと相当痛い目に遭います。
ブランド、品質、造りも大切かもしれませんが、
一番は「自分の足に合うかどうか」。
自分の場合かかとが小さく右足は左に比べ1サイズ小さい。
回りまわって日本人の自分には日本製が合うという結論になりました。
靴は面白く製造国によって木型が全然違う。
日本製のものは木型がバッチリ合うし値段の割に品質が良くて最高(笑)
絶対に合わないのはアメリカ製のもの。
かかとが緩すぎて全く合いません。さらに全体的に雑。
オールデンを買ったと自慢気に来られる方の大半はサイズが合っていません。
実は一時期、革靴の販売員をしていたこともあってサイズが合っていない人を見ると気になります。
男は黙って日本製ですぜ!
靴の話はこれ以上続けると本当に終わらないのでこの辺にしておきますが、
これでも相当短く書きました。え?長いって?
つまり靴はサイズがちゃんと合っていてキッチリ磨いてあげることです。
そして「レザージャケット」については大先生からみっちり教え込まれたのですが…
全部覚えきれません‼(笑)
それくらいレザーは奥が深くて面白いものなんです。
まず「イサムカタヤマバックラッシュ」って?という方も多いはず。
知っている人は知っているけどアパレル業界では非常に異端な存在。
レザーに特化したブランドでその製品のクォリティは恐らく世界一。
少しクセの強いアイテムが多く好みが分かれるかもしれませんが、
シンプルなアイテムもありレザーだけでなく布帛製品も手加減なくクォリティが高い。
ここまで製品にこだわって本気の物造りをしているブランドは知っている限り無いです。
そして品質に対する値段が異常に安い、つまりコストパフォーマンスが高いんです。
その話は後程。
レザーを知るうえで重要なのが「タンナー」。
有名なのは「イタリア・グィディ」や「アメリカ・ホーウィン」など。
世界各国のタンナーを知るとレザーの面白さは増します。
タンナーって何?という方はこちら。
今回のレザーはイタリア・トスカーナのタンナー「オリーチェ」のもの。
某有名ブランドのバッグでも使われるレザーで非常に高級な皮革を造るイタリア屈指のタンナー。
現在のイタリアのタンナーはブランドのようになっており、
最高峰と言われたグィディともなると、
ここのレザーを使ったジャケットはそこそこ有名なブランドで70万円~でしょうか?もっとかな?
バックラッシュの最高峰ラインのTheLINEで50万円くらい。
それでもグィディのベビーカーフを使って完全受注品でその値段なら良心的です。
ちなみに自分のこのライダースは20万円くらいです。
値段だけ聞けば高いですよね~。
ただ最後まで話を聞けば高いと思わないはず。
ほとんどのブランドは色々なタンナーからレザーを仕入れて工場で製品化します。
その年に合わせたデザインで有名ブランドともなればレザーは非常に高価。
アパレルのお店でどこも一番高い値段が付けられているのではないでしょうか?
よくアパレルの販売員さんはレザーを見ていると「一生モノ」と言うのは値段が高いからだけなんですが、
世間で売られている15万円以下のレザーは一生着れませんよ。
それは使われているレザーの大半が羊やヤギなどの柔らかすぎるレザーや、
化学薬品などで鞣しや染色を行ったもの。
バラしちゃうと原価がめっちゃ安いんです(笑)
触って柔らかいレザーなんて引っ張ればすぐに破れるし、
顔料染めしたレザーなんて色抜けして長年放置すれば顔料がベタベタになるし良いことなし。
着てすぐに馴染むレザーなんて今後が恐ろしくて買えません(笑)
本気のレザーを買うのなら植物のタンニンで鞣し染料染めした牛革が良いのでしょうが、
最近はホースレザーもしっかりしたものが出ているようですね。
昔は軽くて水にも強いバッファローなどもありました。
そういった本当にちゃんとしたレザーは一流のタンナーから生み出されます。
ただバックラッシュの凄いところはすでに鞣した革をさらに加工してしまう辺りがもはや異常です(笑)
さらにお店に行けばいつでも自分が欲しいものが買えるものではなく基本的に受注生産。
年に2回行われる受注会で欲しい物が手に入るのですが、
その時には何と「サイズを自分に合わせて」くれるんです。
どうですか?すごくないですか?
革って表情が一つひとつが異なるしサイズも実はバラつきがあるんです。
それをちゃんと自分のサイズに合わせてくれるとか最高じゃないですか?
ここまででレザーってこんなに奥深い物なんだと思ってもらえれば嬉しいですが、
これ全体の1割行くかどうか位の話なんでまだ長いんです。
今日は土曜日にもかかわらずこんなに長文が書けるのは外が寒すぎて誰もお店に人が来ない(笑)
今日は仕方がないです!
では続きです。
バックラッシュのレザー製品の中で製品染めと言われるものは製造途中で全体の3割は加工途中で破れたりなどして、
最終的に廃棄になるそうです。
実際に販売できる製品になるまで非常に気の遠くなる話です。
ただそこまでやって商品化して20万円前後がほとんどなのですが、
それって本当に高いと思いますか?
僕は全然高いと思わないのですが、話はこれで終わりません。
バックラッシュの取扱店で購入した商品なら壊れてもちゃんと修理対応してくれるんです。
これかなり重要です。
例えば有名ブランドの商品は国内で販売される際に代理店を経由します。
ただその代理店が変わると同じブランドのものでも修理してくれなくなる。
これで実際に困ったことが過去にあり、
某ブランドのレザージャケットでジップが壊れて持っていったら、
代理店が違うからという理由で断られました。
かなりいい値段のものですよ。
結局、近所のお直しのお店でお願いするしかなく直してもらえましたが結構ショック。
バックラッシュの場合は取扱店で購入したものであればちゃんと修理してくれるのですが、
個人売などで買った場合は受け付けてもらえないそうなんです。←これ自分が行く店舗では。
生産数が少なく取扱店も多くないので買った人のことはお店側がわかっている。
ちゃんとお店とお客様の関係性ができているから誰が何を買ったのか判断できるからですね。
そういうところもしっかりしていると思うし、
時計と同様、個人売で買うべきアイテムじゃないんですよ。
サイズだってちゃんと試着しないとわからないし、
仮に安く買えたところで直せないんじゃもったいない。
特にクセのあるレザーなのでお直し屋さんじゃ直せないことの方が多い。
だからお店の人とちゃんとコミュニケーションを取れば正しい情報と本当に良い物が手に入る。
それを知らずに大切なお金を捨てるようなことはしたくないですよね?
男性なら一度はレザージャケットに憧れるはず。
でもどこで買えばいいのかわからないし、
そもそも本当に良い物ってどこに売っているのかもわからない。
だからこそお店の人に聞いて回るっていうのも大事だったりします。
僕は誰よりも買い物で失敗してきた変な自信があります(笑)
あの悔しい気持ちをよ~くわかっているから同じ失敗を他の人にして欲しくない。
だから本当に良いと思うものを相談してくださる方に紹介します。
一時期マルタンマルジェラのライダースを本気で悩んで、
試着するものの肩が合わずにでも諦めきれず。
結局買わなかったんですけど当時は無知が故に危ない橋を渡るところでした。
あれが悪いとは言わないですがお店の人と相談して数年越しで今のライダースを手に入れて本当に良かったと思います。
今マルジェラのライダースって30万円超える?どうなんだろう?
ちゃんとサイズを合わせてくれて品質の高い物がメゾンブランドの既製品よりも安く手に入る。
良い物が欲しいと思っているのならそれで買わない理由はありませんよね?
今日は過去最長の文章で書きましたが、
お店がヒマだったんだろうな~というのはナイショです。
時々、清水ダイブしたアイテムについて書いていきますので、
お時間ございましたら読んでくださいね‼