年下の猛者たち

年下の猛者たち

定休日前夜は仲良くしてくれているピッツァイオーロと。
 
 
正月に初めて出会って以来、
 
本当に仲良くしてくれているピッツァイオーロ(ピッツァ職人)。
 
初めて飲みに行く機会ができたので、
 
この日のためにオープンから頑張ってきたといっても過言ではない。
 
 
 
弱冠24歳で世界有数の一流店のピザ窯を任せられたとんでもないヤツ。
 
考え方、仕事に対する姿勢、人への思いやり、
 
何をとっても36歳のオッサンより立派。
 
正直、年下と飲んでいるというより先輩と飲んでいる感覚に近い。
 
彼と話す一言一言が胸に沁み込み、
 
自分にとって楽しすぎた夜だったことは言うまでもない。
 
 
 
最近思うのはメディアが軽々しく「ゆとり世代」「さとり世代」だの好き勝手言う。
 
だが思い返してほしいのが、
 
世の中に問題を起こす人間は大抵いい年こいたオッサンたち。
 
もちろん全てとは言わないが、
 
若い世代のほうがちゃんと物事考え、選択し、行動している。
 
逆に僕たちの世代のほうがだらしがなく感じる。
 
 
 
振り返ると自分を成長させてくれるのはいつも若い「彼ら」。
 
相手を思い、相手のために最高の一着を仕立てる「テーラー」。
 
魂を込めて靴を磨き上げる「靴磨き職人」。
 
そしてすべての人を幸せにしてくれる最高のピッツァを焼く「ピッツァイオーロ」。
 
気付けば自分よりも若く気合の入った奴らばかり。
 
年下の彼らが命を懸けて自分の仕事を全うしている中、
 
僕らに何の言い訳ができるのだろうか?
 
 
 
辛いときや落ち込むときは誰にだってある。
 
でも僕にとって彼らが頑張っている姿を見ていると弱音を吐く時間すら無い。
 
言い訳する暇があるなら自分がやるべきことへ一歩前進するしかない。
 
そんな刺激を与えてくれる彼らが近くにいることは本当に幸せなこと。
 
 
 
「明日、世界が終わるとしたのなら自分はどうしていたい?」
 
 
 
そんな問いかけを彼らにしたら間違いなくこう言うだろう。
 
 
 
「自分の仕事をしたい」
 
 
 
とんでもない猛者どもに囲まれてしまったもので、
 
今日も明日も明後日も、
 
やることやるしかないじゃない?
 
 
 
そんなピッツァイオーロの掌には「ますかけ線」。
 
片方だけでも珍しいと言われているのに、
 
両手にビッシリ入っている類稀な掌。
 
天下人となった偉人の手にも同じ「ますかけ線」があったとか無かったとか。
 
 
 
奇しくも自分の息子も同じ両手に線が入っている。
 
彼らのように成長してくれることを心から願いたい。