「アイコン」だけでモノは語れません。

「アイコン」だけでモノは語れません。

先日購入した書籍で、
本当に久しぶりに時計に関する書籍を買いました(笑)




時計専門誌「クロノス」が出版する「アイコニックピースの肖像 名機30」
名作と呼ばれる名機30本の増補改訂したとても濃い内容の専門書。

クロノスとロービートはガチガチの専門誌なので、
一般の方が読むと宇宙語?みたいなもので多分わけが分からない内容。
でも時計に興味のある方であればかなり深い知識が付くと思うので、
興味のある方は読んでみてください。

さて今回は時計を語りたがる方に言いたい。
「ブランドの代表作数本持ったくらいで時計に詳しいとか言わない方が良いですよ」。
なかなか攻めた文章ですね(笑)
まぁ悪口ではないのでご安心ください。

時計は良くも悪くも持つ人の人柄を表すものだと思うし、
値段もピンからキリまで。
ある意味ここまで値段の差があるものはそこまで無いだろうし、
ブランドやデザインも含めこんなに幅広いものはありません。

さらに言えば時計は必要かどうかと言われれば必要ないだろうし、
極論は持たなくても生きていける。
それ故にハマる人にはがっちりハマるアイテムでもあります。

ただ時計はいくつも持てる方の方が少ないので、
「渾身の一本」を選ぶようになるわけです。
そうなれば雑誌やメディアで「持ち上げられる」ものが欲しい、
そんな気持ちも分からなくはありません。

ただそういったメディアなどは広告料などをもらっていることがあるので、
その製品に対して決して悪いことは書きません。
今回の書籍も各ブランドの広告がしっかり載っているので、
一言もマイナス面は書いていませんが実情を知っていれば、
某ブランドの某有名モデルはカレンダーに欠陥があったり、
パッキンがすぐに切れるだけでなく特殊形状だからメーカー以外は直せない、
なんてことは書いているわけがありません。

それでも表題のアイコニック的なアイテムは、
買った後に資産になると思われがちですが、
売ることを考えるなら最初から買わない方が良い。
時計は使って直してなんぼのもの。
そう自分は思いますが、
そうでない方もいるでしょうから正解はありません。
ただ本当に時計が好きなのであればブランドの代表作だけを買って、
「時計好き」は語れません。

この数年はブランド時計が急騰し、
一部ブランドでは販売に制約を掛けたり、
購入者の審査を行ったりするようです。
それは中古店などへの転売防止なども理由だそうですが、
人気モデルとなれば定価で買って転売すると、
大幅な利益が出たりします。
それはメーカーとしては黙っておけない、
そんなところでしょう。

パテックフィリップ・ノーチラス、
オーデマピゲ・ロイヤルオーク、
ロレックス・デイトナ…
これらの一部のモデルは新品よりも中古の方が値段が高い。
それだけ入手困難だからであります。

そういった意味では資産や投資という言葉も当てはまらなくはないですが、
時計が好きかどうかで言えば疑問に思います。
本当に時計が好きならガシガシ使おうよ‼
時計に関してはそう思っていますので、
アイコニックなモデルを持っているから時計好きではなく、
それはただのブランド好きということ。

仮に代表作にしろ他の時計だとしても、
買うのであればとことん使い倒して、
しっかりと修理をして、
販売してくださった販売員さんを感心させるぐらいその時計を語れて、
誰よりも持っている時計、
延いてはそのブランドを知って行けた方が楽しいと思うんです。

こういった専門書籍は各ブランドのことを本当にしっかりと取材をして、
専門語が多い中それでも一般の方にもわかるように文章を書き、
造り手がどのような工程を経て逸品の時計を造るのか、
長い歴史の中でどういう想いを込めているのか、
これでもかというくらい細かいところまで書いてくれているので、
自分が持っている時計が掲載されていればその時計が一層好きになれるはず。

せっかく自分が気に入って時計を買うのであれば、
その時計のことを知って持つのとそうでないのとでは、
好きになれる度合いも変わると思います。
ネットの情報は溢れていますが判断がしにくい。
そんな時は専門書から学ぶのも方法の一つ。

ちなみに今回の書籍ではGS、タンク、サントスに加え、
コンステレーションについても書かれており、
また新たな発見がありました。
さらに大好きなカラトラバやレベルソについても書かれていましたが、
ヴァシュロンの製品について多く書かれていなかったのは意外。

でも知っていることはもちろん知らないことも学べるのは、
書籍の良いところですね‼
こちらは店頭に置いてあるので、
読みたい方はお声がけください‼