「良いものを永く」と言うけども

「良いものを永く」と言うけども

「○○にいくら使った」、「○○をいくつ持っている」…
決して否定はしません。
ただ個人的に物にいくら使おうが、
いくつ持とうが結局使うのは1つだし、
余計に物を持って劣化したり盗難、紛失とかの方が嫌だし。

「良いものを永く使いたい」
いや、気持ちは重々よく分かります。
その意見には大賛成なのですが当たり前の話をすると、
「では自分で手入れしてますか?」

時計はもちろん服も靴も車もバイクも…
物は買って終わりではありません。
これからの生活が豊かになる一日の「始まり」です。
例え小遣い程度でも給料何か月分でも、
金額に関わらず手に入れた瞬間から全てが始まります。

あくまでも個人的な意見ですが最近のアイテムは全体的に「品質が悪い」。
何と比べてというのが重要だと思うのですが、
自分が自分のお金で物を買い始めたころからと比べて。
服で言えば中学2年生の頃に地元のセレクトショップで買った¥6,000のTシャツを基準にすると、
すぐ伸びるしヘタるし値段が高いし。

中坊の6,000円って結構頑張って買っている方だと思うのですが、
当たり前のごとくお金がないからそのTシャツをとことん着るんですよ。
それでも高校卒業するくらいまで着られていたからTシャツでも持ちが良かった。
今はデニムやレザーを除いて布帛製品で5年もまともに着られる服はあまり聞きません。

そういう基準で話をすれば今の製品は品質が悪いと思います。
ただ時代でもあるのでそこを嘆いていても仕方がありません。
今回はそこではなくて「手入れ」をするためにちゃんとした「道具」を持っているかどうか?

もう何年使っているか覚えていませんが「江戸屋」のお手入れブラシたち。
左から3つが靴用、残り2本の大きめのブラシが洋服用。
素材や用途によって使い分けをします。

ちなみのこのブラシは買うと1個8千円前後だったと思います。
普通に考えれば高いです。
でも本当に「良いもの」を「永く」使いたいなら必須アイテム。
その製品に見合ったお手入れ道具を持つことは「当たり前」です。

自分が保有している最も高価な服はウールカシミアのダウンコート。
清水ダイブ必須の値段は言うまでもなく、
品質も間違いなく最高級品。
この季節はほぼ毎日着ていますが、
下は薄着でも全く寒くないほど保温効果もバッチリ。
それだけ気に入って買っているくらいなので、
毎日のように使い終わったら必ずブラッシングをします。
その時は一番右側のカシミア用ブラシ。
ウール用は固いので生地が傷んでしまいます。

靴は言うまでもなく履いた翌朝に必ずブラッシング。
でも自分がやる手入れは1か月のうちほとんどがブラッシングのみ。
クリームなどを使うのは2~3か月に1回。
よく定期的にクリームを入れた方が良いという人もいますが、
いくら昨今の製品が品質が悪くなったとは言え、
そんな頻繁にクリームを入れなきゃならんヤワな靴は持っていません(笑)

ようはブラッシングだけで十分すぎるほどのケアになるし、
製品が傷む原因のほとんどがホコリや汚れの放置。
専門的な手入れを頼むときは専門家の方へ依頼すればいいだけですが、
日常的にやれることをちゃんとやればいいだけの話。

買うときに心底悩んで買って本当に永く使うつもりだったと思うのですが、
結局は品質がどんなに良かったとしても手入れをしなければ、
「宝の持ち腐れ」になってしまいます。
正しい使い方をするのと同時に正しく手入れをする。
その手入れする道具にどこまでこだわるか?だと思います。
ただこれもまた値段が高ければ良いわけではありません。

製品の品質の良し悪しはありますが、
ケアをすれば品質はちゃんと維持できますし、
愛着のあるアイテムはいくつもいりません。
必要なのは上質なほんの少しだけのアイテムと、
それを維持することができるケアグッズ。
それだけでクローゼットの中を物で埋め尽くされることはありません。

後はケアと同じくらい大事なのが「保管方法」。
今回は書きませんが服はもちろん革製品の保管方法は特に大切です。
天敵のカビが生えたら一生モノも場合によっては廃棄になります。
特に革製品は品質が最も現れるアイテムだと思いますので、
値段が高いから大丈夫と思っていると大変なことになります。
くれぐれもお気を付けくださいね。