ヴィンテージウォッチの多くは当時の保証書や箱などの付属品がありません。
それ故、付属品が残っている場合は無いものより販売価格が高くなります。
そもそも何故ヴィンテージウォッチなどの古いものには付属品が無いのか?
例えば家電製品を買って保証書や説明書、梱包された箱などは捨てますよね?
保証書ならまだしも箱なんて邪魔だし使わないし。
それと一緒で古い時計が売っていた頃は保証書は期限が切れれば使い物にならないし、
箱は今のような立派なものではなくて紙などで作っているものが多いのでカビやすい。
時計の保管もジュエリーボックスなどにまとめる。
だから付属品が残っていないことが多い。
尾錠やバックルも残っていないことが多いのですが、
こちらはベルト交換の際に時計店などで依頼すると、
ベルトに元々付いているベルトメーカーの尾錠があるので、
入れ替えはせず交換されていたそう。
お店側も悪意があるわけではないのでしょうが尾錠の入れ替えず、
お客さん側も特に気にしていなかったのだと思います。
今は現行の中古品などでは付属品の有無で買取金額が大きく変わることもあるので、
時計を買われた方の多くは保証書や箱はもちろん、
購入時のレシートも残していることが多い。
そういった部分もヴィンテージ品との違いはあります。
ヴィンテージ品は当時の時代背景が見えるところも面白さですが、
付属品については後々値段が上がるとか買取がどうだとか気にせず、
とにかく使うことを前提に買われていたのだと思います。
商品売価も今のように高すぎて買い難いものより、
手の届くものが多かったのも一因かもしれません。
時計に限らずヴィンテージ品で付属品があるものは、
それだけでも非常に貴重な存在です。
ジーンズで紙タグがあれば商品よりも紙そのものに価値が付く。
一般的にはゴミ箱行きになりそうな話ですが、
何が起こるのか分からないものです。
こちらは先日ご購入いただいた付属品完備のカルティエ・マストタンク。
この時計も付属品が残っていることは稀ですが、
さらにデッドストックという超特典付き。
普通に考えれば付属品はもちろんデッドストックで残っているなんて考えられませんが…
実は保証書がマストタンク用ではなくパシャ用。
表紙が一緒なので間違えて付属したものだと思いますが、
記載されているシリアルナンバーは本体と合致しますので、
ただただ間違えて別の保証書を添付して記載されたのだと思います。
そういう理由で販売せず眠っていたのかもしれませんが、
真偽は定かではありません。
良くも悪くもこういうことはヴィヴィンテージウォッチではよくある話。
今同じようなことがあれば即SNSに上げられて…
という悪いイメージが付きそうですが、
当時はそういうことも許容できるような世の中だったと思います。
そこを「悪」と捉えずに楽しめるくらいの心の余裕が欲しいですね。