正に「クラシック」。

正に「クラシック」。

先日ご購入いただいたオーデマ・ピゲのラウンドモデル。

無駄が一切なく必要最低限度の機能しかない、

ドレスウォッチの基本的なスタイルを纏った究極の時計。

 

従来の裕福な人が身に着ける時計の定義は、

・金またはプラチナ無垢のケース素材

・シャツの袖に収まる薄型で小振りなケースサイズ

・日付や秒針が無い2針の時計

 

これ見よがしなのはカッコ悪い。

本当に良いものをさり気なく身に着けるのが「スタイル=普遍」であり、

「クラシック」とされるものがいつの時代にも受け入れられ、

普遍的であることには歴史的にも証明された事実。

 

クラシックなものと今売っている現行品を比べても意味はありません。

古いものから新しいものへの違いを比べることは間違いではありませんが、

新しいものから古いものへの違いを見つけ出しても、

当時の技術や時代背景が異なりますので、

古いものは新しいものに比べて決して「便利」ではありません。

 

しかしクラシックとは見た目のことと同時に「精神」のことでもありますので、

相手を引き立てる装いができてこそクラシックの精神と言える気がします。

装いから内面が見えるとも言われますので、

便利さを求めれば自然と怠惰な表情になるのかもしれません。

 

「装う」とは周りの人を率先してエスコートすることでもあり、

相手よりも派手な格好をすることはカッコいいのではなく自分よがりなだけ。

装いを含め所作の「基本」とされることは、

既に何十年も昔に確立されたものです。

 

グレーまたはネイビーのスーツや、

ストレートチップの黒の革靴と同じように、

「持っていない」という選択肢は有り得ないのがドレスウォッチ。

その基本に忠実で究極の時計が今回のような時計だと思います。

 

もしもジェームズ・ボンドが「俺イケイケのスパイっす!」なんて言った日には、

世界中の007ファンが一瞬で離れていくことでしょう。

常に寡黙で無駄な動きをしない、

でも見た瞬間に只者ではないことが容易に分かる。

だからボンドはいつの時代でもカッコいい男の象徴。

 

たかが時計ですが、

全てを語るのも時計。

まさにジェームズ・ボンドのような時計と言えるのが、

こういう時計なのかなと思います。

 

スーツにダイバーズウォッチは劇中でボンドがしている格好ですが、

彼は英国最高峰の「スパイ」です。

真似しても良いことはありませんのでお気を付けください。