通常の製品を製造するにあたって時折出てくる「イレギュラー」品。
普通は市場に出回ることが少ないのですが、
ヴィンテージ品では本当に稀に、
本当に些細な違いのあるイレギュラー品が出てきます。
これを見て分かる方はなかなか通な方ですが、
一般的にはよく分からないと思います。
俗に言う「赤耳」はデニムの繋ぎ目のサイズに赤いステッチがあるのですが、
こちらは片側に青いステッチの入っているもの。
まぁ本当にどーでもいい違いなのですが、
個人的にツボにはまるのがこういうアイテム。
赤耳はデニムの生地の端になる部分なので、
分かりやすく言えば生地の端っこが分かるように、
赤い糸を通していると聞きます。
恐らくこの青耳のようなものは、
赤い糸が無かったから間に合わせで青い糸を使ったのだと推測されます。
真偽のほどは定かではありませんが、
本当に微妙な違いがあるからこそヴィンテージ品は楽しい。
今の製品だったら弾かれるようなものでも、
良くも悪くも基準が曖昧なので世に出回る。
そんな緩い空気感がたまらんのです。
時計でも時々イレギュラー品はあったのですが、
そういうものはすぐ値段が付いてしまったり、
コレクターが手放さないから見かける機会は少ないと思います。
今回のこのデニムは501の66後期。
普通の製品だと同じくらいのコンディションで3万円くらい?
その倍以上の値段で買ってしまい本当にバカだな~と思うのですが、
この糸ごときに数万円払うか払わないかは個人の価値観。
ヴィンテージ品は正確な「基準」はあるようで無い。
だからこそ自分が価値を見出してあげないと、
その製品は日の目を見ることはないのです。
値段は本当に高かったけど、
これを逃したらきっともう出会えない。
バカなのだと思うけれども、
明日この世が無くなったら手に入れなかったことを後悔したくない。
その選択をしただけ…
と、自分に言い聞かせています。