ファッションに興味を持ち始めたのは中学生の頃。
当時は「モッズ」のファッションが雑誌などで特集されていたり、
姉が聴いている音楽の影響もあって、
モッズのファッションにとにかく夢中になっていました。
姉はCD屋にでもなれそうなほどたくさんのCDを持っており、
部屋にはいつも最新のものから古いものまで本当に多くのCDが散らかっていた。
時々、姉がいないのを見計らって興味のあるCDを拝借し、
テープにダビングしてこっそり元に戻していたけど、
時々手元が狂ってCDのケースにヒビを入れたときはこっぴどく怒られた。
借りたCDの中で特に好きだったのは「ポールウェラー」と「スティング」。
二人ともモッズの神様のような存在だったし、
ポールウェラーのしゃがれた声に対してスティングの甘い歌声。
この二人の歌声はいつも心震わせてくれていた。
ある日ファッション誌を読んでいたらモッズの映画の特集もあり、
当時はトレインスポッティングが放映されるかどうかの頃。
トレインスポッティングを観る前に押さえておこうみたいな特集内容だったような。
その中の一つに「さらば青春の光」という映画があり、
この映画はその後の自分にとってのバイブルで恐らく1000回は観たと思う。
ファッションはもちろん音楽、ライフスタイル、生き方など、
人生の全てをこの映画から学んだと言っても過言ではない。
1960年代に実際に起こったモッズとロッカーズの抗争を描いたイギリスの映画。
当時の若者たちのライフスタイルを描いた映画の中では一番リアルだった気がする。
この映画に出てくるファッションをマネして同じ音楽を聴いたりしたけど、
若者の反骨精神から生まれるイギリスのファッションは、
大人たちに対する反抗心むき出しの態度まで自分に影響を与えた。
けど臆病者の自分は誰かに逆らったり争うことが嫌なので、
反抗心は心の中にそっと仕舞っておいた。
この映画は今の若者が観ると本当に古臭く感じるだろう。
現代のように簡単に情報が手にできる時代ではなかったので、
郊外に住む主人公のように情報の収集源はテレビや雑誌、
ショップやクラブで集まる友人たちからという所が本当に時代を感じる。
でも自分が中学生の頃も似たようなもので、
いち早く東京や大阪に行けるような友人から情報を得たり、
受験で東京へ行った姉から色々買ってきてもらうしかなかった。
自分ができる範囲内で最大の情報を得たり、
当時、広島で唯一モッズファッションに特化したお店に通うのが楽しくてたまらなかった。
今のファッションに対してケチをつける気は毛頭ないけど、
いつからかカルチャーの無いファッションが持て囃されるようになって、
面白いかどうかと言われたら全く面白くない。
個人的な好みと言われたらそれまでだけど、
着ている服を見てその人と成りがわかって、
さらに言えばその人が好きな音楽が聴こえてきそうなファッションがカッコいいと思う。
最近はそういうのはあんまり流行らないのか、
それともお金にならないのかわかりませんが、
ファッションは若者の世の中に対する反骨精神であって欲しいと思うのは自分だではないはず。
そこで最近出会った(と言っても買うかどうか1年くらい悩んだ)本が面白い。
著者のことはよく分からないけど挿絵を描いているのは何とあの矢沢あい。
少し年下の世代には馴染み深いNANA-ナナ-の作者。
この人もマンガでファッションを描いた人の一人だと思うので、
この人の作品は結構好きなものが多い。
この本がスゴイのは1930年代のストリートファッションが生まれたころから現代まで、
事細かに調べ上げてまとめたものを挿絵付きで書いてあり、
本当にわかりやすく内容を知らない世代にまで説明できるような一冊になっている。
これはファッションに興味を持ち始めた人にとってはすごく刺激的だろうし、
知っていることでも改めて学び直すには本当に良い内容で描かれていて買って良かったと思う。
そして自分に最も影響を与えたモッズのページもあり、
改めて読むと懐かしさもあり知らなかったこともあり、
これは本当に勉強になった。
この挿絵が泣けてくるくらい良い‼
改めてカルチャーのあるファッションはカッコいいと思うし、
時代がどんなに変わっても好きなモノやコトを突き詰めたら良いと思う。
そんな今回はベタにThe WhoやTHE JAMと思ったけど、
今も昔もこの人達ほどカッコいいバンドはいないと思う。
これが音楽でファッションでカルチャー‼