本日入荷の「カルティエ・プレマストタンク」は今では手に入りにくいレアモデル。
「must de」表記がプリントされる直前に生産された通称プレマストタンク。
今やカルティエのヴィンテージモデルのレアモデルの一つ。
パッと見のデザインはタンクルイカルティエとほぼ同じ。
分かる人には分かりますが、
素人目には同じ時計にしか見えないかもしれません。
こちらは元々の生産数も少なく決定的な資料も少ない謎に満ちた一品。
古い書籍では本国のカルティエとは別資本だったカルティエ・ニューヨークが、
試験的にヴェルメイユ素材でスナップバックケースのもので販売を始めたものの、
コピー品が多く出回り本国がちゃんとした製品を生産するという経緯があったとか。
後に1976年に「マストコレクション」として通常のラインナップが発表されたそう。
推測ですが12部作が発表される1972年頃からプレマストタンクの流通が始まり、
1976年頃には生産が終了したとすれば実質の生産期間は非常に短い。
ただ1980年代にはクォーツモデルで「must de」表記の無いシャンパンローマの存在もあり、
決定付ける資料も無いので正確なことは言えません。
ただ数は多くなく当然コンディションの良いものが少ない中、
こちらの個体はコンディションが非常によく、
資料的価値も高いと自信を持ってお勧めできる個体です。
本日同時入荷のアイボリーローマ文字盤もあるので、
違いを見比べられるという稀なパターンもありますが、
外観の違いのほかにムーヴメントの仕様も若干異なります。
そういうところがヴィンテージ品の面白さでもあり、
探求心をくすぐるポイントなのかもしれませんね!