1966年12月に製造されたセイコーのレアモデル。

1966年12月に製造されたセイコーのレアモデル。

本日入荷しました「セイコー・ロードマーベル」はセイコーをはじめ、

国産腕時計の中でも特に貴重な歴史的名作。

この時計の存在があったからこそセイコーの今の地位があるのかもしれません。

 

 

グランドセイコーが誕生する1960年以前までセイコーの最高級機種として販売されていたロードマーベル。

世界に通用する腕時計を製造するためセイコー内のブランドが刷新。

その中でもロードマーベルは数多くのマイナーチェンジを行い、

セイコーの中でも特にロングセラーモデルとなりました。

 

1966年に防水仕様のケースへとアップグレードを行い、

ムーヴメントも最高級機種と並ぶ精度と耐久性を備えたCal.5740Bを開発。

それがこちらのロードマーベルとなり1968年には機械をハイビート化させることに成功。

今も根強い人気を持つ名作ロードマーベル36000へと進化します。

 

つまり従来のロードマーベルからロードマーベル36000へと進化する過渡期となる、

僅か2年間だけ製造された非常に貴重なアイテムなのです。

 

 

パッと見たときの外観のデザインは、

同じ5740-8000の型番を持つロードマーベルでも大きく変わりませんが、

細かいところを見ていくと違いが見られます。

 

ケースのデザインは同じで、リューズが僅かに尖っているのがロービートモデル。

インデックスは同じアップライト仕様ですが、

ロービートモデルはメタルのままでシルバー色、

ハイビートモデルは表面にブラックの塗装を施しており、針も同様の仕様となります。

 

そして何より目を惹くのが文字盤の書体。

ロービートモデルは筆記体でLordmarvelとプリントされハイビートモデルとの違いは一目瞭然。

さらに文字盤の仕上げも光の加減で表情を変え、絹目仕上げのハイビートモデルと大きく異なります。

 

こういった仕様の違いがみられるのもヴィンテージウォッチの面白さ。

当然ですがムーヴメントも大きく異なります。

 

 

簡素な仕上げに見えますが各パーツの強度は非常に高く精度や耐久性にも優れ、

製造から60年近くが経過しても衰えることはありません。

 

ハイビートモデルとの違いは振動数が主な違いとなりますが、

この機械が生まれたからこそ後にハイビート化されただけでなく、

それを一般的に普及することにも成功しました。

 

同じ1960年代でハイビートムーヴメントをいち早く一般化したのはセイコーくらいで、

このロードマーベルの存在は非常に大きいと言えます。

 

後のハイビートモデルもそれはそれで逸話の多い時計ですが、

個人的に見かける機会が特に少ないロービートモデルは、

時計好きであればぜひ手に入れて欲しいアイテムの一つだと思っています。

 

今では日本製の腕時計は世界でもトップクラスの存在ですが、

今の地位を築くまでに様々な試行錯誤があり今に至ります。

日本人だからこそ日本製の魅力に目を向け、その価値を改めて実感して欲しい。

そんな想いから開業当初からセイコーの腕時計に力を入れて取り扱ってきました。

 

日本製の腕時計を好きになれる魅力は存分に感じていただけるはず。

こちらの時計も間違いなくその一翼を担ってくれます。