本日入荷しました「グランドセイコー44GS」は僅か2年ほどの短い期間のみに製造された希少モデル。
当時キングセイコーを製造していた亀戸工場から誕生した初のグランドセイコーです。

1967年に登場した44GSは「セイコースタイル」と呼ばれる独自のケースデザインを確立した手巻きモデル。
そのセイコースタイルのケースを採用したステンレスモデルとは異なり、
当時の亀戸工場で最高級品とされたキングセイコークロノメーターと同一のケースデザインを採用したキャップゴールドモデル。
文字盤のデザインはグランドセイコー2nd後期型モデルの意匠を引き継ぎ、
12時側に「SEIKO」、6時側に「GS」のアップライト表記となり、
視認性にも優れたインデックスと先端に膨らみのある秒針も特徴的。

ステンレスモデルも含め現在のグランドセイコーに通じる、
セイコーらしさを感じられる時計のデザインはシンプルでありながら、
質実剛健といった品質の高さも感じ取れるデザインです。
当時はグランドセイコーがセイコー社の最高級ブランドでしたが、
亀戸工場からグランドセイコーが誕生したことや、
キングセイコークロノメーターの方が定価が高かったことなど、
色々な推測がされるユニークなアイテムです。
その理由の一つに、
主にグランドセイコーの製造を行った諏訪工場がグランドセイコーの自動巻きの製造に着手したことや、
キングセイコーのブランド価値を高めるため、より高額になったことも考えられますが、
2年間という短い製造期間のみに見られる44GSは、
やはりミステリアスな存在と言えます。

ムーヴメントはキングセイコークロノメーターに採用さた4420Aとほぼ共通のCal.4420B。
精度と耐久性に長けたムーヴメントはセイコーらしさを感じられ、
製造から50年が経った今も衰えを感じさせない素晴らしいムーヴメントです。
これほどのものを製造した背景には、
グランドセイコーが世界一の腕時計を目指したことが挙げられ、
精密機器の製造を得意とする日本人の特性を表しています。
同年代の舶来時計と比べても決して引けを取らない、
むしろムーヴメントに関しては一歩先を行く時計ブランドです。

またバックケースはスクリュータイプとなり防水性能を高める構造となっています。
裏蓋のメダリオンはGSセカンドモデルから「GSメダリオン」へと変更されていますが、
このロゴも今も使われる半世紀以上変わらないシンボル。
変わることのない製品の高い品質と、それを証明するロゴ。
その自信の表れが伝わってきますね。

身に着けた時から伝わるオーラはまさに別格で、
半世紀を言う時間が紡いだ雰囲気は決して真似することはできません。
世界最高峰を目指した日本製の腕時計は、
日本人にとって最も似合うものではないでしょうか?
復刻モデルでは表すことのできないオリジナルモデルならではの魅力。
それは何よりも重要で大切な「遺産」と言えます。