本日入荷しました「カルティエ・サントスガルベ」は1999年頃にマイナーチェンジを行った自動巻きの後期型モデル。
サントスのクォーツモデルのデザインに統合されラグジュアリーに生まれ変わりました。

自動巻きのサントスカレはシャープでエッジのあるデザインが特徴的でしたが、
クォーツモデルのサントスガルベの自動巻きモデルの登場により生産終了。
新たに誕生したサントスガルベの自動巻きモデルは、
従来のクォーツモデルと同じ丸みのあるカーブの強いケースデザインに、
ブレスレットは現行品と同じ両開きバックルタイプのブレスレットへと変更。
そして一番目に入る文字盤のデザインはギョーシェ彫りを施した新たなデザインに。
光の加減で表情が変わる陰影のある加工が、
過去モデルから一線を画すラグジュアリーな印象となりました。
1990年代後半はマストシリーズをはじめ多くのアイテムがマイナーチェンジを行い、
カルティエの変遷を感じる時代となります。

昨今のラグジュアリースポーツモデルのブームを予感させるサントスガルベは、
2004年に誕生するサントス100をはじめとした「デカ厚ブーム」の到来を迎え、
小振りなサイズ感の時計は存在感を失い、2016年にサントスガルベは生産終了となります。
2018年にフルリニューアルした「サントスドゥカルティエ」が発表されますが、
同時に過去作品への関心が高まり現在に至ります。
最近ではサントスカレなどのヴィンテージモデルが高騰し、
より過去作品への評価が高まっておりますが、
各パーツをブラッシュアップしたサントスガルベは、
サントスの完成形と言っても過言ではありません。
外観のデザイン変更を行い堅牢でモダンな印象に、
ケースの構造を変更することでメンテンナスを行いやすく、
ムーヴメントは当時の汎用モデルを使用しており、パーツの手配が比較的容易にできるなど、
時代と共に進化していることが、サントスガルベからも受け取ることができます。

しかし時計のサイズ自体はサントスカレから大きく変わらず、
手首へのフィット感がより良くなっております。
2007年にサントスガルベXLが誕生しますが、
手首に沿ってくれて袖に収まる時計の大きさなど、
旧型サイズのサントスガルベのサイズ感は非常に貴重な存在です。
今回の個体は販売に当たりカルティエでコンプリートサービスを行い、
リューズや各種ネジなどのパーツを新品に交換。
さらにベゼルと裏蓋も交換しているので、
新品のような印象を受けるほどの極上コンディションです。
ここまでメンテナンスを仕上げられることも多くありませんが、
生産期間の短さから入手できる機会も限られているサントスガルベ。
1979年頃の誕生から様々な仕様変更を行いつつも、
時を経て完成された時計となったことで、
末永く実用的に使うことのできる名作へと昇華しました。
現代っぽさを感じつつも適正なサイズ感の時計が欲しい。
そんな想いに応えてくれている気がします。
入荷の機会は多くありませんが時計の素晴らしさに加え、
しっかりと行ったメンテナンスにも自信のある一品です。
今回の機会は本当に貴重なものとなりますので、
ぜひお見逃しなく!
