本日入荷しました「セイコー・ロードマーベル36000」は1966年に登場した国産腕時計の歴史的名作。
最初期モデルならではのディテールも必見の一品です。

昨今ヴィンテージウォッチの中でも取り分け注目の高まるセイコーの製品。
日本だけでなく世界中で人気が高まっている理由に、
舶来時計を凌ぐ精度とコストパフォーマンスの高さが挙げられます。
グランドセイコーをはじめ多くのヴィンテージモデルは製造から半世紀以上が経ったのにも関わらず、
衰えることのない精度やパーツの耐久性はスイス製の腕時計を超える素晴らしさがあり、
価格は手の届く範囲から無数に選べるという点は、
世界広しと言えど日本の腕時計ならではの魅力でもあります。
特に当店では開業当初から一番推していると言っても過言ではない、
こちらのロードマーベル36000を多くの方に手にして欲しいという願いもあります。

この時計を語る上で外せないエピソードも沢山ありますが、
特にムーヴメントに関しては世界に先駆けてハイビートムーヴメントを採用し、
それが今も衰えることのない精度を発揮していることに驚きます。
今も多くの腕時計がハイビートムーヴメントを採用していますが、
この機械が多くの時計の基礎となったことが何よりも感動的。
1960年代の時計なので今の時計のムーヴメントに比べると非常に簡素ですが、
腕時計本来の目的でもある「時刻を知る」ことに特化したムーヴメントであり、
無駄な装飾をする時代でもなかったことが伺えます。
しかし現在まで多くの腕時計が生まれ消えていった中で、
腕時計の基本を網羅したものが日本製という点も感慨深いものを感じます。

ケースはロードマーベル5740-8000が誕生してから防水仕様となり、
その証が裏蓋のシーホースの刻印となります。
ダイバーであればイルカなどの刻印も見られ、
こういったディテールがヴィンテージウォッチをはじめ、
多くの時計好きの心をくすぐるポイントとなりますが、
このディテールは僅か1年未満で変更されることとなり、
細かな違いとは言え手に入れられる機会が限られる貴重なものです。

ただ何よりは腕時計である以上は実用性こそ最重要というのが、
日本が誇るセイコーという時計ブランドのポリシーではないかと実感します。
時計のデザインは日本人の手首周りにフィットする絶妙なサイズ感であり、
舶来時計のような華やかさや煌びやかさは無いものの、
実用性に全ての舵を切ったような至極シンプルなもの。
このシンプルさこそがロードマーベル36000らしさでもあり、
腕時計の本質を捉えている普遍性のあるデザインです。
腕時計はブランドの多さや歴史の深さだけでなく現在まで数え切れないほどの製品があり、
初めて腕時計を選ぶ方から言わせれば「何を選べばいいのか分からない」はずです。
当店がヴィンテージウォッチ専門店であるというポジショントークを抜きにしても、
このロードマーベル36000から腕時計の基礎を学べ、
時計の面白さや愉しさを存分に感じていただけると自信を持ってお勧めしたい。
選ぶなら先ずはこれから。
そこから一歩ずつ腕時計の世界へ踏み出せばいいのですが、
これさえあれば十分だと気付いていただけるはずです。