シリーズで一番ベーシックなアップライト文字盤。

シリーズで一番ベーシックなアップライト文字盤。

本日入荷しましたグランドセイコー1stはシリーズで最もベーシックなアップライト文字盤。

高級感と端整な表情を見せる国産腕時計の最高峰モデルです。

1960年に誕生し様々なマイナーチェンジが行われ、

1961年には文字盤のデザインがアップライトへと変更。

生産終了まで続く最も長く採用された仕様のもの。

 

拡大していますが非常に小さなインデックスでロゴを表現しています。

腕時計がいかに綿密で繊細なものなのかを一目で感じられる部分でもあるので、

ロゴが当てる印象というのは非常に大きなものを感じます。

 

当時のグランドセイコーは採算度外視で最高品質のものを造ろうとしたため、

一般の方には手の届かない存在だったとされます。

今の金額で計ることは難しいですが、大卒の初任給が約¥10,000だったのに対し、

グランドセイコーの価格は¥25,000。

当時の腕時計の普及率を考えれば非常に高価なもの、

いや、高価過ぎるものだったことが伺えます。

 

それだけ雲の上のような存在だったファーストモデルは、

「世界」を意識して当時の職人さんたちが心を込めて製作したことが伝わります。

正確無比で所有することを誇りに思えるような腕時計。

戦後復興を果たした日本から本当に素晴らしい腕時計が誕生した瞬間です。

 

こちらの個体は1963年7月製造のもの。

誕生から62年が経った今も大きな狂いもなく正確に時を刻みます。

 

機械物で半世紀が経っても正常に動作するものは腕時計と一部のものだけ。

それを考えるとグランドセイコーをはじめ多くの腕時計が、今も正確に動いていることに感動します。

 

そんな感動を与えてくれる存在が日本製で、

しかも世界有数の存在であるということに誇りを持てる。

そう思えることもファーストモデルの魅力なのかもしれません。