1999年頃に大幅なマイナーチェンジを行ったマストタンク。

1999年頃に大幅なマイナーチェンジを行ったマストタンク。

カルティエのヴィンテージモデルで大人気のマストタンク。

1976年に発表され1977年から販売が開始。

2004年頃までラインナップされたロングセラーモデルです。

 

30年近く生産されていく中で機械の変更や、文字盤やリューズのデザイン変更など、

マイナーチェンジを繰り返しながらユーザーが飽きることなく愛用したマストタンクですが、

1999年頃に大幅なマイナーチェンジを行います。

 

従来のサイズから各1mmずつサイズアップしボリューム感を増したケースサイズ。

文字盤は従来のものから一新されますが、

定番のアイボリーローマ文字盤だけは大きく変わらず。

ただインデックスのところが少し盛り上がっており、文字盤自体が立体的な印象に。

ローマ数字の周りが少し膨らんでいるのが分かりますか?

 

あとはリューズの土台が金メッキから純金に。

それに合わせてケースの構造も変わったので、リューズは継手タイプに。

これによりパーツ代がものすごく高騰したことは意外と知られていません。

 

そして旧型はインナーケースがプラスティックだったものが、

後期型から裏蓋と一体化した無垢素材になり非常に丈夫になりました。

 

マイナーチェンジといっても構造から違う別物の時計と言ってもいいくらい、

かなりアップデートされたのが後期型。

機械は旧型と同じなのでメンテナンスも安心できることを考えると、

実用性にも優れていることが伺えます。

 

ただ時代の流れなのか5年ほどでマストシリーズは全て生産終了となり、

マストタンクもラインナップから姿を消してしまいます。

 

より良くなったことで多くのファンが増えるところだったと思うのですが、

ヴェルメイユはコストがかかることや、素材の性質で変色するということもあって、

生産終了になったのかもしれません。

 

新旧を見比べると多くの違いがあり、それぞれの良さがあります。

特に後期型は生産期間の短さから、入手の機会も非常に少ないことも特徴です。

最近では見かける機会が非常に少なくなってきておりますので、

この機会をお見逃しなく。